自分が使った花材事典:黒芽柳
赤芽柳とか、銀芽柳とかいうのもありますが、この柳は「黒芽柳」です。
黒芽柳の特徴は、名前のとおりの「黒い芽」です。でも……
枝全体を見ると、ところどころ「赤」を感じる部分があります。黒一色の芽と、赤の混じる芽と、両方あります。
私の経験によれば、この赤い部分は、日がたつにつれて黒くなっていきます。少なくとも、私の見た範囲ではそうなんです。が、「徐々に赤くなる」という人もいます。この二つの説、どっちが正しと思います?
私は、明確に「赤から黒になる」と思っているし’(今まで見たものは確かにそうでした)、それが正しいと信じています。しかし、「黒→赤派」の人も結構な数で存在し、その中には私が「経験豊富な信頼できる人」と思っている人が含まれます。
……どっちなんだ?
私の観察によれば、「入荷するものは、穂の全体が赤か、一部が赤か、全体が黒。そのうちの、赤い部分を含むものは、下の方から黒くなっていき、真っ黒になった頃に下部から花粉をふき始める(穂の先端に赤が残る状態で花粉が出てくることもある)」です。
上の画像は、全部が赤い状態です。ここから黒に向かい、そして開花します。
「黒芽柳」という名前からは、黒い部分が「ここから葉っぱの出てくる芽」と思われがちなんですが、出てくるのは葉ではなく、花です。
「花」と言っても、おしべが穂になって出てくるような花ですので、はなびらが開くような花ではありません。
私は、黒芽の花が、どうも好きになれません。
黄色い花粉の穂が、赤黒い中からびろ~んと出てくるので、ちょっと「気持ち悪い系」なんです。
好きじゃあないけど、開花の様子を貼ってみますと……
下の方から花粉が出てきて……
ついには上のようになります。こうなるともう、「黒芽」ではなくなってます。
矯めの効く枝としては、非常によくこちらの意向を汲んでくれる枝なので、その点は嫌いではありません。これからも、よく使う枝ものとしてお付き合いするのだと思います。
黒芽の、芽の部分については、私の稽古場の学生さんが、
「眉描くブラシにしか見えない」
と言ったのが、忘れられません。
「言い得てる!」
と思いました。
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