椿の実(ドライ)

2020年2月6日

管理人のストック花材:椿の実です。

椿の実

拾ってきた椿の実です。もっと正確に言うと、「拾ってもらった椿の実」です。

私の実家の近くには、街路樹にずっと椿を植えてある「椿街道」みたいなところがありまして、その道を秋ごろに歩くと、大振りな椿の実がボロボロ落ちているのを前から知っていました。
いくらでも落ちているので、「いつか、椿の実が必要なことが起こったら拾いに来よう」と思っていましたが、なかなかそのような機会がありませんでした。

ところが今年、何か今までと毛色の違うクリスマスリースを作ろうかと思ったときに、ふと「椿街道」のことを思い出し、実家に電話して、
「ついでがあったら椿の実を拾っておいてくれ」
と頼んだら、あっという間に両親うちそろってミッションを達成し、さっそく我が家に送ってくれたというわけです。

椿の実

私としては、親にそんなに面倒なことを頼むつもりは無く、通りかかったときに、きれいそうなやつがもしもあったら、3つでも4つでも拾っておいてくれ、というふうに頼んだのですが、めったに頼みごとをしない娘からの依頼にテンションあがった両親は、こんなにたくさん拾ってくれたのでした。

ドライ花材としての椿の実

椿の実は、カチカチの固い殻に種が入っている構造になっています。実の中の種が成熟してくると、殻が三つに割れて、中の種がむき出しになって地面に落ちます。
つまり、下の画像のような姿になって落ちてきます。

椿の実

ジューシーなタイプの実ではないので、このままドライ花材として扱えます。
花材としての面白さは、ぱっくり3つに割れた姿と、ポイントになる真ん中の種と、全体的に肉厚でまるまっちい形などです。とてもナチュラルで、野趣にあふれる魅力があります。

リースにでもしようかと思って入手したものの、実際にはリースにするには大きすぎました。
↓こんなにボリュームがあります。

椿の実

リースにするには、相当大きなものを作るか、よほど入れ方を吟味するか、どっちにしろ使いように苦労することになりそうだったので、使用を見送ってしまいました。
インパクトがありすぎて、むしろいけばなのほうが使いやすそうに見えます。そのうち、妙な立体に仕立てるかもしれません。

いろいろな大きさの椿の実

椿の実に限らず、その辺から自分で採集してきたようなものは、流通しているものに比べると、大きさがまちまちです。

この椿の実も、大きいものと小さいもので、下の画像のような差があります。

椿の実

大きさをそろえて使いたい場合には困ってしまうのですが、このような差は、多くの場合には混在するほうが自然な魅力に通じるものです。色々な顔があったほうが楽しいですよね。

この椿の実を見て、「なるほど採集ものはこうなるか」と思ったのは、「完全体」のものが少ないことでした。
上の画像用には、きれいに三つに割れて、真ん中にちゃんと種が入っているものを選んで撮っているのです。このような「完全体」は、全体の一割ほどだったでしょうか。
残りの9割は、真ん中の種が取れちゃってるとか……

椿の実

きれいな三つ割れじゃないとか、殻の一部が欠けちゃってるとか……

椿の実

そういう、どっかしら不完全なものでした。

この花材の面白さのメインは殻が担っているんですけど、やはり種は重要なポイントで、種が取れちゃってると、ちょっと間抜けな感じがするんですよね。

でも、だったら種だけ別途拾っておいて、必要なら接着剤でくっつけりゃいいんじゃないの?ということをうちの母はよくわかっていたみたいで……

椿の種

↑取れちゃった種だけを袋にまとめて入れておいてくれました。

ま、種が無くても、殻の分厚い感じだけでも結構見られることは見られるんですけどね。

椿の実

椿の実の外側は、あんまりきれいじゃない

椿の実の外側は、あんまりきれいじゃありません。

椿の実

↑こっち側は見せないように使うか、いっそ金塗りにでもしてしまって使うのが良いでしょう。