自分が使った花材事典:ライデン木

2019年7月14日

草月流の人は、「ライデン」と略称することが多いです。ほかの流派の方は、フルに「らいでんぼく」と言うので、店頭で「ライデン」と言う人に「草月の先生ですか」と聞いてみると、たいてい当たりです。千葉の店でも東京の店でもそうなので、多分これは、花屋さんあるあるだと私は思っています。

この画像のライデンは(私も草月流師範なので、略称します)、500~600円くらいの品物だったと思います。要するに、稽古花として入ってきたものです。
まっすぐな枝ですが、矯めるのは簡単です。
ライデンも、山採りのものは、もっとすごい枝ぶりだったりするのですが、お稽古花レベルでそんな品が入るはずもないので、自分の手で曲がりを演出します。

この画像は、実は二ヶ月ほども前に撮ったものです。つまり、7月の初旬の頃に扱ったものですが、すでに実も付き、一部が紅葉しています。

ライデンは、大枝も良いですが、このような細かい枝先の風情が、私は特に好きです。

風情があって、実や紅葉などの季節感あふれるアクセントがあり、高さと幅が稼げる枝物は、いけばなとしては非常に使いやすいです。

↓こんなにたっぷりの実が」あります。

七月の段階では、さすがに赤くはないです。
秋になると、これが真っ赤に色づいたものが出荷されます。

あ、ライデンって、「ななかまど」と同じものなんですけどね。ひょっとして世間的には、「ななかまど」の呼び名の方がメジャーでしょうか。

「ななかまど」だと思うと、俄然秋の気配を感じちゃったりするでしょ?
実だけではなく、秋になると葉っぱもまっかっかに紅葉したものが出回るようになります。しかし、真っ赤な葉っぱのライデンは、震えるほどきれいではあるのですが、あっという間に葉が乾いて巻いてしまいます。そういう意味では、この画像くらいの緑のもののほうが扱いやすいですね。

でも、この品物にも、紅葉している部分はあって、いけばな的にはそこを見せ場にするとカッコイイです。

人によっては、真っ赤なライデンよりも、上の画像のような「緑の中に、赤いポイントがいくつかある」くらいのほうが好みだということもあります。