自分が使った花材事典:胡蝶蘭(ピンク)
美しすぎる……。
ピンクの胡蝶蘭を使うの、久しぶり……。 しかも、「自分の家用」に使うのは、初めてだと思います。いけばな人生活35年にして、自家用初使いです。
この胡蝶蘭は、お安くない胡蝶蘭です。なんたって、展覧会用オーダーです。
展覧会用と言いましても、実は私自身の発注ではなく、人様の展覧会用花材が余ったやつを、貰い受けてきたものです。しかも、知らない方にいただいたんですよね……。
展覧会に出入りしていると、たまにこういうことがあります。
この胡蝶蘭をくださった方は、海外からの参加の方で(草月展などは、海外から参加される方が珍しくありません)、花材が余っても困るばかりだから、貰ってくれと言われたために引き取って来ました。
貰ったときのお姿は、こんな風に、薄紙とセロハンに包まれていました。
そして、生けるときになって気が付いたんですけど、首が折れてました。
貰ったときから折れていたのか、自分が持って帰る最中に折ってしまったのか不明です。 こんなところが折れたら、売り物ならば大騒ぎですが、何分もらい物なので、こっちにも余裕がありまして、「あらやだわ。おほほほほ」てなもんです。(←胡蝶蘭を扱っていると、なぜかマダムキャラになってきます)
で、このように折れたところを温存しても仕方ないので、思い切ってズバッと切りました。
ついでに、縁にヘタリの兆候が見える花を切り落としました。
(この花は、別の目的に使いましたので、無駄ではありません)
短くなっちゃったなあという感じです。しかし、いたずらに長い胡蝶蘭が一本あっても、かえって家の中では生け難いものです。ここまで切ってしまえば、別の花ともあわせやすくなります。
この高級花を、一体何に生けようかと思った結果、うちにある唯一のバカラに生けることにしました。
これだけじゃなんともならんなあ、どうしようかなあ、と思っているところへ、ネリネが目に付いたので、こんな風に仕上げてみました。
さっぱりしてんなあ……。根が貧乏人だと、にぎにぎしく生けられないんだろうか。
でも、せっかく生けたので、食器棚の上に飾っておきました。
私は、この胡蝶蘭がいくらの品物なのか知りません。
こんな生け方じゃイケナイようなお値段なんだろうなと思います。
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