自分が使った花材事典:胡蝶蘭(ピンク)

2016年6月21日

美しすぎる……。

ピンクの胡蝶蘭を使うの、久しぶり……。 しかも、「自分の家用」に使うのは、初めてだと思います。いけばな人生活35年にして、自家用初使いです。

花の顔に寄ってみましょう。  

この胡蝶蘭は、お安くない胡蝶蘭です。なんたって、展覧会用オーダーです。

展覧会用と言いましても、実は私自身の発注ではなく、人様の展覧会用花材が余ったやつを、貰い受けてきたものです。しかも、知らない方にいただいたんですよね……。
展覧会に出入りしていると、たまにこういうことがあります。
この胡蝶蘭をくださった方は、海外からの参加の方で(草月展などは、海外から参加される方が珍しくありません)、花材が余っても困るばかりだから、貰ってくれと言われたために引き取って来ました。

貰ったときのお姿は、こんな風に、薄紙とセロハンに包まれていました。

薄紙を開けると、胡蝶蘭登場。

そして、生けるときになって気が付いたんですけど、首が折れてました。

貰ったときから折れていたのか、自分が持って帰る最中に折ってしまったのか不明です。 こんなところが折れたら、売り物ならば大騒ぎですが、何分もらい物なので、こっちにも余裕がありまして、「あらやだわ。おほほほほ」てなもんです。(←胡蝶蘭を扱っていると、なぜかマダムキャラになってきます)

で、このように折れたところを温存しても仕方ないので、思い切ってズバッと切りました。

ついでに、縁にヘタリの兆候が見える花を切り落としました。
(この花は、別の目的に使いましたので、無駄ではありません)

このようにカットした結果、花はこのようなお姿に。  

短くなっちゃったなあという感じです。しかし、いたずらに長い胡蝶蘭が一本あっても、かえって家の中では生け難いものです。ここまで切ってしまえば、別の花ともあわせやすくなります。

この高級花を、一体何に生けようかと思った結果、うちにある唯一のバカラに生けることにしました。

とりあえず、バカラの花瓶に、胡蝶蘭を放り込みました。  

これだけじゃなんともならんなあ、どうしようかなあ、と思っているところへ、ネリネが目に付いたので、こんな風に仕上げてみました。  

さっぱりしてんなあ……。根が貧乏人だと、にぎにぎしく生けられないんだろうか。

でも、せっかく生けたので、食器棚の上に飾っておきました。

私は、この胡蝶蘭がいくらの品物なのか知りません。
こんな生け方じゃイケナイようなお値段なんだろうなと思います。