自分が使った花材事典:ネリネ(ピンク)

2016年6月15日

反り返ったような咲き方が、なにやらにぎやかな感じです。

ネリネは、ヒガンバナ科の花です。そう思って見ると、たしかにヒガンバナのような花ですね。ヒガンバナと比べると、花は小振りですけど。
これほどヒガンバナに近い姿の花が(つまり、ごく近い親類だと思われる花が)、普通に流通しているのに、なぜヒガンバナが切花で流通しないのか、私は不思議です。「彼岸」というネーミングが嫌われるのだという説は、違うような気がします。何か、水揚げとか、輸送上の難があるのだろうと想像しています。

画像の花はピンクですが、黄色とか、オレンジ色もあります。いずれも、クリアな花色で、ネリネを生けると、パッと明るくなります。

一本だけの画像も撮ってみました。

花弁の反り返りだけでなく、しべもなにやらチラチラしているんですよね。この花を生けてあると、「花火みたいだ」と言われることがあります。

と、いうように、花の魅力も大きいのですが、いけばな家たちは、茎の部分にも花と同じくらいに注目します。

ネリネを使うと、緑のまっすぐな線が引けます。一本で使ってもいいですし、大量に使ってもいいです。
いけばな的な見せ場は、むしろ花よりも、茎の線の方が作りやすいかもしれません。