竹 筒もの 2種類

※花器カテゴリは、管理人が自分の所有花器を管理するために作成しているものです。(何らかの方法で管理しないと、持っているのを忘れることがあるので)


筒もの 2種類

これは、本来は花器ではないのかもしれません。

てゆーか、本来何の目的に使うものなのか、私は知りません。とおりすがりの農協で売っていて、安かったので衝動買いしてしまいました。
これを買ったのはこの春のことで、竹をテーマにした花展出品作のことを考えていたので、普段は自分に許さない衝動買いを許してしまいました。
まあ、私が衝動買いできる値段なので、「許す」とかいう御大層なことでもありません。左の青っぽい竹が、242円、右の焼き竹が、352円です。

恐ろしく安いですが、生えてきてしょうがない竹を切って、上を斜め切りにするだけなので、ほぼノーコストで生産できるのでしょう。
私はこれを、花瓶的に使おうとしていますが、一般的には何に使うと良いんでしょうね……ペン立てとか? お箸立て? シャモジ立て? まあなんでも良いんでしょう。

青っぽい竹

「青っぽい」としたのは、「青竹」というほどには青くないからです。(こういうのを青竹という)家に置いてたら青が薄れてきた、というわけではなく、買った時からもう白っぽくなって、本当の切りたてではありませんでした。

青竹が、本当に美しい青でいる期間は短いです。その後は、どんどん乾燥して、ぼやけた色になって、そして高い確率でカビが出ます。上の画像の竹は、なんらかの処理がしてあるかもしれないので、カビが出るかどうかわかりませんが、一般的に生の丸竹は、水分の含有量が多いらしく、カビだらけになってしまうことをほぼ避けられません。
一方、もう片方の「焼き竹」は、これはプロがちゃんと水分も油分も抜いていてくれていて、カビの心配はなさそうです。

焼き竹

こういうのは、バーナーか何かで焼くんでしょうか? 竹細工を作るときに、竹は一回ゆでるんだと聞いたことがあります。それで、油分を出すのだそうです(私の記憶によれば、です)。この竹もゆでられてるのかしら。かまゆでの後に火あぶり、みたいなことになってるのかしら。

物品としては、こちらの焼き竹の方が、しっかりとした安定感があります。ちゃんとした「加工品」の余裕があります。こちらは、ほっといてもこのままの姿で、長く花を生けさせてくれるでしょう。上の項の「青っぽい」方の竹は、どんどんきれいじゃなくなる一方なんだろうな……と思ったら、
「じゃあ、あっちも焼いたらいいんじゃないの?」
という悪魔のささやきが聞こえました。

良い子は真似をしてはいけません! (青っぽい竹を焼き竹にしてみた)

悪魔のささやきを聞いてしまった私は、
「そうだよね、焼いたらいいじゃないの」
と軽く考え、さっそくライターであぶってみました。

ところが、こんな小さな火では全然埒があきません。これより強い火は、うちにはキッチンのガス火しか無いので、キッチンのガスコンロで竹を焼き始めました。

これは、非常に危険なので、やらない方が良いです! いやはや、すごい勢いで蒸気があがり(水分がすごいんだ)、表面に油分が大量に浮いてきて(油分もすごいんだ!)、それがジュージュー言い始めます。
竹細工の作業場を持っている人ならともかく、その辺のキッチンでやったらだめです。ものすごいコワイ。ものすごいコワかった。怖すぎて、ジュージューシューシュー言ってる竹をシンクに放置し、ラインで「竹がわかる仲間」に「怖かった!」と訴えたら、「当たり前だ馬鹿!」と怒られました。
怒られてる間にも、シンクの中の竹からは、煙なんだか蒸気なんだかわからないものが立ち上っていて、やけどしなくて良かったし、小火にもならなくて良かったと思いました。

そんな思いで焼いた竹のお姿がどう変わったかと言いますと……

いやほぼ変わりなしなんですけど! あれだけジュージューシューシュー言って、緑色が少々濃くなって、斜めに切った切り口が少々焦げただけ。
しかし、焼いた部分と焼かなかった部分の差は大きいとも言えます。上の画像でも、炙られた場所と炙られなかった場所の差ははっきり認められます。

画像では分かり難いかもしれませんが、焼いた部分は、色が変わった以上に、表面がワックスでもかけたように「テカテカツヤツヤ」になっていました。多分、油分が表面に出てきてコーティングされたのかな?と思います。

じゃあ、満遍なく全部の場所を炙ったら、全身ツヤピカの竹筒に生まれ変わるではないか、と思いまして、私は性懲りもなく(さっきあんなに怖かったのに)竹をあぶり始めました。
危ないからやめとけ、やめとけ、といういろんな人たちの声が聞こえる気がしましたが、すでに一回経験を積んでおりますから、今度は慎重に、そして無理なくじわじわと炙っていきました。「これ以上はやけどする」と思ったら、そこで加熱をやめ、絶対に引火しない場所に放置して冷まし、また翌日以降に続きをあぶり始める……ということを繰り返したところ、最終的に下のようなことになりました。

やはり、専門家の作った焼き竹のように、きれいに焦がすことはできませんでした。焦げ目をつけようとすると、火種ができそうになってしまって、どんどん焼き進みそうだったので、「うっすら炙りました」くらいが関の山でした。

でも、炙りやすいところは、ここまで炙りました。

プロの焼き竹と比べると、下のような感じです。

やはり、火力が違うのでしょうかね?
それと、素人のガス火焼きでは、「割れ」が発生してしまいました。

↑一本、すっと長い線が入っています。急激に水分や油分が表面に出てきたせいなのか、このような割れができてしまいました。表面だけの割れなので、今のところ内部に水を入れるのに問題はありませんが、やがてもっと深く割れたりするかもしれません。

油分でできるツヤツヤっぷりを、なんとか画像でお伝えしたいのですが、

伝わりますかしら? 本当にワックスをかけたみたいになってます。

焼き竹と、自家製焼き竹は、現在花を生けるのに使っています。

竹をテーマにした花展作品の参考として買ったのですが、とくに作品に利用することもなく、すごく普通に花瓶使用しています。

花器壷・花瓶

Posted by sei