自分が使った花材事典:ヒマワリ

2019年3月27日

夏の花の代表格、ヒマワリです。

ヒマワリは、実は色々と種類があって、それぞれに印象が違うので、明確なイメージを持ってヒマワリの花束を注文したような場合、「なんかちょっと、思っていたのと違うな」というものが出来上がることがあります。

品種により違ってくるのは、下記のような部分になります。

  • 顔の大きさ
  • 花弁の色
  • 花弁の長さ
  • 花の輪郭の印象(ごつくて強いイメージの花と、優しく軟らかい印象の花があります)
  • 茎の太さ
  • 茎の長さ

上の要素がすべて真逆な花は、花そのものの印象も真逆になります。ヒマワリというと、やたら元気なイメージを持っている人も多いと思いますけど、上の画像のヒマワリなどは、小振りでちょっと優雅な雰囲気が見えます。これよりも、もっともっと優雅に優しいヒマワリもあるのです。

花の顔の、正面アップ。

濃い目の黄色の花弁です。ここまで強い黄色ではないほうが良い場合は、もっとレモン色くらいの色味を選びましょう。

ヒマワリは、老若男女問わず人気も高いですし、比較的安価ですし、見た目が分かり易い花なので、花屋さん的にも、いけばな・フラワー技術者の側にも、使い易い花材です。
長さを出したいときや、明確なポイントを作りたいときにも大活躍してくれます。

また、どこを取っても絵になりやすい花でして、後ろ姿がイケるんです。

いけばな作品などでは、わざと後ろを向かせることがあります。後ろ頭が主役になり得る花というのは、そう多くはありません。

完全に開ききらない、半分つぼみみたいな状態でも存在感があります。

そして、大体20年ちょっと前くらいから、分かる人にはわかってもらえるようになってきた使い方が、「花弁全落とし」です。
要するに、こういうことです。
↓ ↓ ↓

わざと花弁を全部取って使います。
私は、花束でこれをやった経験はありませんが、アレンジメントならば、立派に売り物として通用します。(地方だと、お客さんに受け入れてもらえない場合が未だにあると思いますが)

この方法は、「花弁を取った顔が面白い」ということだけではなく、花弁がパラパラきそうな花材に先手をうって取ってしまうという理由が実はあるのですが、後の方の理由が素人に伝わるような生けかたはダメで、「取ったからこそカッコイイ」という仕上がりにする必要があります。(表現を目的としたいけばなや、フラワーアレンジメントの場合、花弁がパラパラこなくても全取りすることは珍しくありません)