朝顔の勝ち

2016年1月27日

夜、次の日の朝に開きそうな朝顔のつぼみに、鉛筆のキャップをかぶせて寝たことがある。

かわいそう、と言うなかれ。これは、小学校の理科の教科書に載っていたもので、朝顔の開花の様子を観察する方法なのだ。
教科書によれば、
「朝顔の開花を観察するには、本来なら早朝に行わねばならない。しかし、前の晩からつぼみにキャップをかぶせておくと、人工的に開花を遅らせることができる。朝、起きてからキャップを取って、観察してみよう!」
というような説明だったと思う。

私は、これを、家の朝顔で早速試してみた。
次の日に咲きそうなつぼみが、確か5~6個あり、そのすべてにキャップをかぶせて眠った。
そして、次の日の朝、うきうきして見に行ったら、花は待っていてなどくれず、とっくに開いてしまっていた。

え? なんでなんで? キャップはどこへ行ったの?
私は、わけが分からず呆然とした。
ふと気づくと、ベランダのあちこちに、キャップがバラバラに散らばっているではないか。
なんとまあ、うちの朝顔さんは、
「こんなものかぶせて、邪魔じゃないの。えい!!」
とか言って、キャップを吹っ飛ばしてしまったようなのである。
朝顔VSキャップの決戦は、朝顔の圧勝であった。あの薄い、優しい花弁が、軽いとはいえ金属のキャップを吹っ飛ばすなど、私は想像だにしなかったので、非常に驚いたものだ。

もしもこの光景を、誰か見ている人がいたなら、それこそびっくりしただろう。朝顔の鉢から、いくつもの銀色のキャップが、断続的にひゅーんひゅーんと飛び出してくるのだから。

この観察を試みたのは、朝顔栽培をやる学年=小1の頃ということになるが、当時の私が思ったのは、「教科書の文を書いた人は本当にやってみたのかな」ということだった。
教科書のようにうまくいくのが普通なのか、私の実験のような結果になるのが普通なのか、どっちなのだろう?
まさか、うちの朝顔さんが、超植物級の馬鹿力を持った特殊朝顔だった、ということは無いでしょうな。

その他

Posted by sei