自分が使った花材事典:シラン

2019年11月5日

シランです。私は、なぜこいつは切花出荷されないのだろうと思っています。

シラン

シランは、ほとんどの方が見たことのある花だと思います。わりと、どこの家にもあるような花です。画像のシランは、うちの実家の庭から切って来たものです。

この画像では、紫がかった薄ピンクみたいに見えますが、これは画像の暗さを補正したらこうなってしまったのでありまして、本当の色合いは「濃いピンク」です。なんか、変な画像になってしまってゴメンナサイ(そのうち、もっとシランらしい色に撮れたものとこっそり差し替えておきます)。
うちの実家のシランが、「特殊な色の品種」なのではありません。

記事の冒頭でも書いたとおり、シランはあまりにも親しまれている花なのに、切花では売られていません。「あまりにも親しまれ」すぎているからなのでしょうか? それか、切花で売ったとしても、どうせ安い単価しかつけられないのだから、儲からない、ということなのでしょうか。
私だって、あまりお金を出して買う気にはならないでしょうからね。ものすごく簡単に、家でも増やせるし、よそからももらえるような花ですから。

でも、そんなこと言い出したら、その辺の家にいっぱいあるのに、切花でも売ってる花というのはあるんですけどね。
たとえば、ホトトギスとか。ニゲラとか。コスモスとか。葉っぱだと、ハランとか、ナルコランとか、トクサとか。
シランは、一応「蘭」なのですし、色も濃くてアピール力がある切花になるように思うのですけどね……でも買わないね、やっぱり。そうか、だから売ってないのね。

シラン

↓これ、シランの葉っぱです。

シランの葉

私、なぜ今までそう思わなかったか不思議なくらいなのですが、今回シランの葉の画像を撮っていて、初めて「カークリゴに似てるなあ」と思いました。
カークリゴというのは、細かいプリーツのような筋の入った葉物で、いけばな花材としては人気のあるものです。
シランの葉っぱの、形とかプリーツが、カークリゴを思い出させました。
もしかして、カークリゴって蘭の葉っぱだったのか?と思って調べたら、全然蘭じゃなかったですけど……。

でも、カークリゴ的葉っぱなのだから、シランの葉っぱにも、十分に葉物としての面白さがあるはずです。
シランの葉っぱを、もう少し大型になるように改良して、葉物出荷したらどう? これ、いけるんでない? どうです、われこそはとお思いの種苗業者の皆さん。アイデア料はいらないから作ってもらえないでしょうか!
大丈夫大丈夫。葉っぱをかなり大型にすれば、むしろ花よりもお金になるって!

という冗談を言うよりも、手近にあるシランの葉っぱを、かわいく大切に生けたらそれでいいのかもしれません。
シランを庭から切ってくるなら、葉っぱ付きで切ったほうが扱いやすいです。

シランの、花の茎だけだと、こんなに細いのです。

シラン

いけばななどで、この細さをうまく表現に使おうというときにはこれでも良いのですが、一輪挿しにただ放り込もうというときには、この細いワイヤーみたいな茎では格好になりにくいです。葉っぱを一緒に切って挿すほうが、自然だし、おさまりが良いですよ。