自分が使った花材事典:チューリップ

2018年9月26日

一番普通なチューリップです。パロット咲きとかを期待された方はごめんなさい。

パロット、ちょっと高めなので、私は贅沢したいときでないと買いません。ケチです。。。

パロットはもちろん好きですし、バレリーナみたいなツンツン系も好きです。でも、この普通なチューリップも愛らしくていいですよね。

私は以前から、「結局、チューリップの葉っぱに美しく表情を付けるのはどうすりゃあいいの」と思っています。これだけ特徴のある葉っぱなのに、効果的な扱いが、あまり思いつかないんだなあ。品物によっては、やたらビローンとした葉っぱのこともあるし……。

いけばな界って、流派を超えた「業界的流行」みたいなものがたまにあって、器の流行だったり、花材の流行だったりするんですけど、むかしむかし、チューリップの花弁をひっくり返して生けるのが流行ったことがありました。
知ってる人、います? 若く見られたい人は、「知らない」って言いましょうね。
もう、30年以上も前のことなので、私が知ってるのが不思議なくらいなのですから。

チューリップの花弁をひっくり返すとは、すなわち、こういう花を……

こういうふうに、ひっくり返します。

たしかに、表情が変わることは変わるので、「なんか面白い」という流行だったのでしょうけど、本当に一過性の流行だったので、やはり「真の魅力ある花材の扱い方」ではなかったのでしょうね。(無理やり感、ありますもんねえ)
ファッションの流行と同じで、実力のある流行というのは、過ぎ去ってもまた帰ってくることが多いです。チューリップのひっくり返しが、二度と帰ってこなかったということは、つまりは「真の魅力」の発見ではなかったということなのでしょう。