自分が使った花材事典:カンナ
カンナを使うのは、多分、人生で三回目です。
あまり使わない理由は、そもそも切り花であまり出回らないのと、水揚げが悪いことが分かり切っているからです。

ほぼ黒に近いようなチョコレート色の茎と葉。同じくチョコレート色のガクの間から除く赤い花弁。
……ところで、上の画像には、嘘があります。いかにも1本ままのカンナみたいに撮ってますが、実は三つに切り分けられています。
稽古で生けたときに、花・葉・小さい葉付きの茎の3パーツに分けてしまいました。



それを、床の上に並べて撮ったのが、一番上の画像です。

3つに切ってしまったのは、そういう必然性のある作品を生けたからではあるのですが、もともとこのカンナを1本まま持って帰ろうという気持ちはあまり持っていませんでした。大きいまま持ち帰っても、どうせ水が下がっちゃうんだろうなと思ったので。
初めてカンナを生けたのは、20歳前後の頃だったと思いますが、そのときに、全然水あがらないじゃん、ということが強力に刷り込まれました。
で、二回目に生けたのは、ばあちゃんちの花壇から切ったものでした。切って直ちに水につけたら、結構水あがるんじゃないの?と思って生けたのですが、これもぜんぜん上がりませんでした。ここに至って、「カンナは生けてもすぐ死ぬ」という認識が完全に確立されました。
そのおかげで、今まで長いこと手に取ろうとも思わずにいたのですが、すごく久しぶりに稽古場で目が合って、気が付いたら買ってしまっていました。
生けながら、思っていました。「どうせ水あがんねーだろ」と。
で、案の定、あがらなかったです。特に、花! 葉っぱはまだマシでした。
またしばらく、私はカンナを生けないでしょう。次に生けるときには、だいぶおばあさんになっているのではないかと思います。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません