自分が使った花材事典:姫ガマ
姫ガマは、私にとっては「うまく使えるはずだと思うのに、かつて一度もうまく使えたためしが無い花材」です。
ガマって、川とか、沼などに自生しているものを見ることができますが、そのようなガマよりも、画像のガマのほうが花材としては扱い易いです。画像のガマは、「姫ガマ」といって、穂も葉もスマートでかわいげがあります。野生のガマは、荒々しくて、料理の方法に困るようなところがあります。
↓茶色い部分がガマの穂です。
穂なしの、葉っぱだけのガマも、色々と生けようがありますが、やはり穂がついていると嬉しいです。
画像のガマは、長さがかなりあって、実は私の身長よりも高いものでした。
(持って帰るの大変でした)
(高すぎて、画像には全体像を納め切れませんでした)
それだけ高さがあると、葉っぱも長いものがついています。
私は若い頃から、ガマの長い葉っぱを意のままに操りたいものだと思ってきました。しかし、どうも、自由すぎるガマの葉が、私には扱いきれません。あれだけの長さがあれば、あんなことも、こんなこともできるというビジョンは、我が脳内に存在しています。そのビジョンは、いまだかつて、現実の世界には一度も姿を現したことが無いのです。いつか、一度だけでもいいから、「脳内のビジョン」と「現実」の、大いなる合体を体験してから死にたいと思っています。
上手じゃないけど、意欲的にいろんなことはやってみるんですよ。たとえば、今回はこんな風に使ってみました。
↑これくらい扱えれば、私としては、「かなりうまくいった方」です。でも、もっとできると思うんだよな……。
葉っぱを主役にせず、穂を主役にすることも、もちろんできます。穂と葉っぱを、完全に別々に分けてもいいですね。
穂だけ集めると、こんな感じになります。
ガマの穂の、「穂の先から出てるやつ」の扱いに迷うことがあります。
「穂の先から出てるやつ」とは、これのことなんですけど、
↓ ↓ ↓
残したほうが自然ではありますが、妙にきれいじゃなかったり、作品の上ではこの線が邪魔になる、というときは、切ってしまったほうが良いこともあります。
切ると、こんな感じになります。
やらないほうがいいのは、「一つの作品の中に、先を切ったものと、切らないものが混在する」というやつです。しかし、それも決まりごとではないので、作品としておかしくなければ、気にしなくて大丈夫です。
最初に、「姫ガマ」はスマートで扱い易いと書きましたが、「姫」がつかない「ガマ」と比べてみましょうか。
はい、左が「ガマ」。右が「姫ガマ」。
スマートさというか、「かわいげ」が違うでしょ? ガマとか大ガマは、でかすぎて「キモチワルイ領域」に紙一重で入りそうなことが多いので、何かと難しいのです。
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