ドリプレ・ローズガーデン(千葉県)

ドリプレ・ローズガーデンとは

ドリプレ・ローズガーデンの名称は、「ドリーミングプレイスローズガーデン」を略したものです。
どうやらテレビで取り上げられたらしく、最近急速に知名度を上げています。全く個人の方の所有する園で、個人運営らしく、とても個性的な特徴があります。

その特徴とは、かなり自然調な、素朴でワイルドな園の構成と、園内が猫だらけであるところです。

山の中のバラ園です

ドリプレ・ローズガーデンは、千葉の君津にあり、結構な山の中にあります。私は君津駅からタクシーで行ったのですが、運転手さんによれば、
「このあたりの山には、イノシシも鹿もいる。運が良いと、その辺から出てくるのが見られる」
とのことでした。

個人である程度の大きさのバラ園を作るのに、土地代や周辺環境を考えた結果、この場所になったのだろうなあと思います。
このロケーションは、魅力的でもありますが、交通アクセスとしてはかなり不便な場所になります。車で行くか、高速バスまたは電車で途中まで行き最後はタクシーで行くか、どちらかです。私は君津駅からタクシーで行ったので、タクシー代で往復15,000円くらい払いました。

しかし、この交通事情をものともせず、遠方から通ってくる人が後を絶たないところが、ドリプレのすごいところです。詳しくは後述しますが、ドリプレは、バラ好きさんのみならず、猫好きさんも集まってくるのです。「ここに来るのは3回目です」「私は5回目です」というお客さんは、バラ好きさんよりもむしろ猫好きさんたちでした。

山の中なので、どの方向を向いても最終的な背景は「森」です

色々な植物がのびのびと育っているバラ園

ドリプレ・ローズガーデンのバラは、約500品種、3000株が植わっています。特に珍しいと言える品種はありませんが(少なくとも私は気づきませんでした)、「オーナー個人の趣味なんだろうな」と思える品種選びが感じられて、興味深いです。イングリッシュローズと、香りのよい品種が多いと感じました。

バラ以外にも、牡丹・シャクヤク園あり、クリスマスローズの庭あり、ハーブや、樹木や、水辺の植物などもあり、いろいろな植物が育っています。
一見したところ、それぞれの植物は、すべて勝手気ままに生えているようにも見えます。もちろん、バラ園を完全放置できるわけがないので、きちんと管理はされているはずです。つまり、「いかにも自由奔放」になるための管理をしているのだと思います。

園内のカフェで、スタッフさんに聞いたところによれば、オーナーはターシャにあこがれて、ドリプレを作ったのだそうです。そういわれてみると、いかにもターシャ風な庭です。
自由で、管理しすぎず、自然美の中に存在する、自分の好きな植物がたっぷりな庭。しかも、すべての植物を無農薬栽培だそうです。オーナーの理想を形にした庭なのかなあと思います。

個人的に、このような一つの個性に貫かれたバラ園は、実に魅力的だと思います。

下に、自由さ、ナチュラルさが見ていただける園内の画像を、いくつか出してみたいと思います。

↑草っ原の中の道みたいな通路。

↑あちこちにベンチがあります。座っていると、猫が足すりすりしに来たりします。

↑ほかの植物の中に埋もれるように存在するバラたち。

↑園内の池には、睡蓮も咲いています。この池にはカエルがたくさん住んでいるらしく、声はうるさいほど聞こえていましたが、不思議に姿は見えませんでした。

↑池から流れ出す小川のほとりには、野バラみたいな一重のバラが咲いていました。

ドリプレCAFEがステキ

ドリプレ・ローズガーデンに入ってすぐのところに、カフェがあります。

園のパンフによれば、バラ園まで入らず、カフェだけ利用することも可なのだそうです。果たしてカフェ利用のみの人が本当にいるのかどうか知りませんが、自然を感じてお茶をのみつつ、カフェにも入ってくる猫たちとふれあうだけで十分、という人なら、入園料をかけずに楽しむことができます。

↑緑の中に埋もれるようにして存在するカフェ。すごくステキなんですが、緑に誘われて昆虫さんもやってきます。

昆虫以上にやってくるのが猫でして、ガーデンタイプのネコカフェとなっています。私がカフェを利用した時は、4人掛のテーブルに2人で座っていたところ、あいていた椅子に猫がぴょんと飛び乗ってきました。かまっていると、しばし相手をしてくれます。

↑これは、カフェで私が注文したバラのサイダーです。これと同じものでしたが、一枚入っているバラの花弁がうれしいです。

ドリプレCAFEにはステキなメニューがほかにもあるのですが……

私だってアフタヌーンティーなど頼みたい気持ちでしたが、混んでいて、待っているお客さんがとんでもなくいて、ドリンクの注文さえもずいぶん待たないと受付できないような状況だったので、遠慮して「コップに注げばすむ」サイダーしか頼みませんでした。

この混雑というか、お客さんをさばくのに時間がかかる状況は、おそらくバラのシーズンには毎日そうなのではないかと推測されました。園の人(たぶん、オーナーの奥さん?)によれば、家族と数人のお手伝いの人で回しているので、大勢の方に対応するのは難しいのだということでした。
この事実は、理解して行く方が良いと思います。「人手も席数も足りてないじゃないか」と怒る人は、行かない方が良いと思います。手が回るわけがないだろ、くらいの気持ちで行くところです。短いバラのシーズンにだけ、入場者数が跳ね上がる園が、席数・スタッフを増やすリスクに耐えるのは難しいのだと思います。

この「カフェ待ちの時間&食事が出てくるまでの時間が膨大・その結果食事を頼みにくい」ということを考えると、お昼時をはずしていく方が私には現実的でした。私たちは君津駅近くでお昼を済ませて行ったのです。

いくら待ってもいいからドリプレのカフェご飯がいい、という人はそれでも良いのですが、「よそで済ませよう派」の人は、園の周辺で済ませればいいだろうとは思わない方が良いです。周囲は圧倒的に山で、自販機さえもめったにないような場所です。私としては、「よそで済ませるなら、山に入る前に済ませるべき!」と申し上げたいです。

ドリプレ・ローズガーデンのスタッフは、人より猫が多いかもしれない

上にも書いたように、ドリプレ・ローズガーデンには、あっちにもこっちにも猫がいます。

私が行ったときには、総勢10人のネコスタッフがいました。

↑ちゃんとスタッフメンバー表があります。(行きのタクシーの運転手さんは、「猫が案内してくれるバラ園でしょう?」と言ってました)
どの猫も、完全に人になじみきっていて、知らない人の集団に何の物怖じもしません。そこらへんで寝ていたり、人にちょっかいを出してきたり、カフェやショップに出入りしたりしています。

猫が苦手な人で、ドリプレに行こうという人はあまりいないと思いますが、避けようと思えば避けられるくらいの存在ですので、バラやそのほかの植物だけ堪能することも可能ではあると思います。
しかし、私の見たところでは、ドリプレのお客さんで、
「バラだけに興味があって、猫はオマケと思って来た人」

「猫だけに興味があって、バラはオマケと思って来た人」
を数えたら、たぶん、後者の方が多いくらいではないかと感じました。バラ園よりも、むしろ猫園なのかもしれないです。

特定のネコを気に入り、何度も通っている人もいるようでした。
猫の存在は、明らかにこの園の大きな魅力となっています。スタッフさんたちのネコ愛の厚さも、見ているだけでひしひしと感じられ、空間としてステキなものがあります。

MAP・入場料・アクセス・園内ショップ

  • 公式サイト→ドリプレ・ローズガーデン
  • 入場料……一般900円(2022年現在)※シーズンにより金額が変わります
  • アクセス
  • 園内には、バラ関連のグッズショップと、アンティークショップがあります(オーナーの本業は骨董屋です)

その他の情報というか小ネタ

入場券は、シール式

入場券はシールになっています。台紙から剥がして、胸元とか袖とかバッグとか、一目でわかるところに貼ります。

ドリプレ・ローズガーデンには、ポイントカードがある

なんと、ポイントカードをくれます。

↑三回行くと、紅茶かコーヒーが1杯サービスされます。
このようなサービスがあるということは、リピーターが結構いるということなんでしょう。

「立ち入り禁止」ではなく……

ドリプレの、きれいな芝生には、下のようなプレートが立っています。

猫ならぬ人間は立ち入っちゃだめよ、という表示なのでした。