自分が使った花材事典:レザーファン

2016年3月10日

レザーファンというのは、みんなにどう思われているのでしょうか。

アレンジメントや花束のあんこにするのが、一番よくある使い方です。よくありすぎて、
「またレザーファンか」
「レザーファン以外のものも使いたい」
「つまんない」
「レザーファンが出てくると、使い方が決まっちゃって面白くない」
などなど、フラワー教室でも、花屋でも言われていることでしょう。
しかし、よく使われるということは、結局使いやすいからそうなるんですよね。そういう意味では、優秀花材です。

レザーファンは、シダの仲間です。

私はなんとも思いませんが、たまに、「シダがダメ」な人がいます。
シダというと、じめじめした森の中にあって、葉の裏側に、胞子がゾロッとついているのなど思い出すんでしょうか。密林が舞台の映画などでは、「恐ろしくも怪しい気配」を演出するのに、よくシダ植物が使われますから、あまりきれいに飾れる気がしないのかもしれません。

豆知識ですが、花屋に入荷するレザーファンには、胞子はつきません。つかないように改良したのか、環境の操作でそうするのか、あるいは付く前に出荷するのか、詳しいことは知りませんが、とにかく胞子はついてきません。やはり、あの「ゾロッと胞子」は、見えちゃうとちょっと気持ち悪いからなのだと思います。

私は、画像のレザーファンは、いけばな用に買いました。
私はたまに、「花業界的には、ありきたりな添え物花材」と思われているようなものを、メイン花材にして生けることがあります。いけると大抵、「難しかったでしょう?」と言われますが、私からすると、「そうでもない」ことが多いです。「添え物花材」という思い込みで難しいと感じている人が多いんじゃないでしょうか。
ちなみに、稽古場で作ったのは、画像のレザーファンを三角水盤に剣山無しで生け、葉の重なりで波打つ面を作ってみよう、などという意欲作でございました。(私は、剣山無しだけは基礎工事がうまいらしく、よそ見していても立てられるのです)

レザーファンの葉は、まるでデザイナーが描いたパターンのようです。

この対称の美しさを、対称大好きなフラワーアレンジメントの世界が多用するのは当然だと思います。