スケルトンほおずきを作る
こちらの記事→自分が使った花材事典:ほおずき で予告しました、スケルトンほおずきの作り方をば、書いてみようと思います。(本サイトにアップしますと予告したのですが、本サイトに入れるほどの記事じゃないなと思い返し、こちらのブログにアップすることにしました)
スケルトンほおずきとは
スケルトンほおずきとは、ほおずきのガクの部分(袋の部分)を葉脈だけにしてしまったもののことを言います。ちなみに、「スケルトンほおずき」というのは正式名称でもなんでもなく、業界の通称名みたいなものです。おそらく、他の呼び方をしている人もいると思います。
で、このスケルトンほおずきは、葉脈のアミアミの袋の中に、オレンジ色の玉が入っているのが見えるという、なかなかに楽しい加工実ものなのです。
最初に、実物のお姿を出しちゃいましょう。
↑まあこんなカンジで、楽しげな物体ではあります。
こいつの作り方を紹介しようと思います。
スケルトンほおずきの作り方……水につける
スケルトンほおずきを作る作業は、基本的にはひとつだけ、「水につける」だけです。
見ればお分かりのように、ただただバケツの水に放り込んであるだけです。
上の画像は、ほおずきが水に浮いてますが、ホントは手で水に沈めて、袋の中の空気を出してあげると良いです。そうすると、実全体が水にどっぷり漬かり、完全に水につけることができます。
このようにすると、袋のやわらかい部分が水に溶け出して、葉脈だけが後に残ります。
↓水につけて、丸一日たったのがこちらの画像です。
ただ水につけていただけですが、すでに一部でスケルトン化が始まっています。
緑の円で囲んだ部分をご覧ください。
↓水からつまみ出してみました。
↑この「アミアミ」の部分が、全体に広がれば完成します。
水につけっぱなしでも、いつかは全体がアミアミ=スケルトンにはなるのですが、なるべく早く完成させたいので、スケルトン化を促進させます。
下の画像のように、水の中で振ってやると、オレンジ色の皮がべらべらとはがれて、スケルトン部分が広がっていきます。
振った結果、スケルトン部分がいくらか広がりました。
上記のような、「様子を見ては、水の中で振り振り作戦」を毎日続けます。
五日くらいたつと、こんな感じになります。
だいぶ、スケルトン化が進んで、「アミアミの中に、オレンジの玉」という、この素材の面白さの本質が現れて来ました。
スケルトンほおずきは、できる限り葉脈だけにするのが良い
上の項の画像だと、まだアミにたくさんのオレンジの皮が残っています。これが、きれいに全部取れて、完全に葉脈だけになればなるほど、きれいで面白いのです。
しかし、「葉脈のみ」にするのは、結構苦労するときと、意外なほど簡単にいくときがあります。どうも、元のほおずきの状態とか、個体差で、スケルトン化が容易なパターンと、そうでないパターンがあるのですな。今回のほおずきは、あんまし容易ではありませんでした。
「容易なパターン」だと、短い日数で簡単にできあがります。
「容易でないパターン」だと、一週間以上水につけても、「まだちょっとだけ皮が残ってるなあ」という状態が続きます。このときに「いつ、水から引き上げるのか」が、実はちょっと難しい決断だったりします。
皮が一片残らず剥がれ落ちるまで、いつまででも漬けておいてもいいのなら、そんなに難しい決断にはなりません。
でも、このスケルトンほおずきは、ドライフラワーみたいに、長い命があるわけではないのです。それは、「オレンジの玉」の存在があるからです。
アレンジの玉=ほおずきの実の部分は、ある程度の日数(3週間くらいかなあ)で、シワシワになってしまいます。なので、「アミアミの中に、かわいいまん丸なオレンジ」という姿は、限られた日数しか保てません。
だから、「ちょっとオレンジの皮が残ってるけど、ここで引き上げてしまおう!」という決断が必要になる場合があるのです。
今回作ったスケルトンには、少々の皮が残ってしまいました。
でも、見る角度によってはほとんど目立たないので、なるべく「完全スケルトン」に見えるように使います。
白い紙の上にのせてみると、皮の残りっぷりがよく分かります……。
でも、見る場所によっては十分きれいです。
葉脈の感じが、なかなか良いでしょ?
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