自分が使った花材事典:松(某家の庭より)

2018年9月27日

他人様のお宅の剪定枝をいただきました。本当は、ご自分が生けるために切ったものということでしたが、あまったので私にくださったものです。

しみじみ見ると、なるほど切花出荷されたものとは違うなあと分かりますね。でも、十分にいけばな使用できる枝です。
「生け易そうなところを切ったの?」
と聞いてみましたら、剪定後の枝を見て、使えそうなものだけ拾ってきたということでした。

裏側の写真もあるので、一応載せましょう。

新聞紙の大きさから推測していただくと分かりますが、結構大きい枝です。お正月用の松をこれ一本で済ませることもできる大きさでした。

しかし、残念ながら、私はこの松の、ほんの一枝しか使いませんでした。
ほんとに小さな、「枝先」ていどのものです。

↓これだけ。きれっぱしみたいなものです。

これを何にしたかと言えば、……我が家の玄関の正月花にしました。ちっちゃすぎ……。
あ、あの、言い訳みたいになりますけど……以前このブログでも書いたことあると思うんですけど、私はノーギャラで正月花を生けるのが大嫌いなんですよ。
そりゃもう大嫌いなんです。
理由は、暮れに一日に何作も、よその店とかよその家のための正月花を、朝から晩まで作るからです。最後には、竹筒(お正月アレンジの定番容器)を見るだけで身震いするくらい嫌になります。
なので、私は年末花屋業務をするようになってから、家の正月花を生けなくなりました。
先生に怒られようが、家元に怒られようが、今後も家では生けたくありません。

あ、ノーギャラが嫌なだけですからね。
わが家でギャラ発生するなら生けますよ、仕事だと思って。(誰か出してくれぬか?)

でも、今年は某家の松を少しは活用しようと思って、生けたんですよ。ワイングラスサイズだったけど。

まあ御覧下さい。この手抜き風正月花を。
ノーギャラの正月花なんざ、こんなものさ。

花材と地板だけで「正月っぽくしたんだからいいじゃないかよう」と言わんばかり。
しかし、生けただけマシはマシです。
もう一枝、きれっぱしを入れるか?と一瞬考えたんですけど、より無粋になるだけかと思ってやめました。
(この隣に、しまい忘れたクリスマスツリーがずーっと出てた)
(この正面に、解体する気力の無い草月展作品が出しっぱなし)(←仕舞え!)

というような、やさぐれた正月をわが家は迎えておりました。
大部分残ってしまった松は、現在枯れ松にしてみています。きれいだったら、ドライにして改めて使います。

後日、松をくださった某さんより、
「あの松、大丈夫だった?」
「へ?………大丈夫って、何が? (汗)(汗)」
「あの木、あれから毛虫が出てさあ。平気だった?」

………笑顔で怖いことを言うな!!(毛虫は出なかった)