自分が使った花材事典:カエデ(青葉・紅葉)

2022年9月17日

青葉のカエデ

初夏のころの、きれいな緑のカエデです。

↑葉が茂りすぎてわからないですが、これで3本あります。

↑1本のボリュームはこれくらい。
この楓は、そう高くない値段だったのですが、意外と一週間以上元気でいてくれました。安価なお稽古用枝ものとしては、大変優秀な結果でした。
一般的にカエデは持ちの良くない枝です。ステキな枝ほど持たないなんて、枝ものの神様も意地悪だなあと思います。

この緑の重なりが美しい。
この葉は、かなりしっかりしているので水が上がったのでしょうが、これより幼い葉だと一日くらいで巻いてしまいます。

安い割に、枝つきがそこまでぶっきらぼうでないところも気に入りました。

↑そして、実がかわいい! かわいいじゃないかっ!

実は枝全体にチラチラついているのですが、ところどころにあるピンクがかった実が特にかわいいと思います。大満足な枝でした。

紅葉のカエデ

上の青葉とは一転して、紅葉のカエデです。

お稽古に使ったときに、だいぶ短く切ってしまったもので、ワイングラスに挿してあります。

紅葉の色合いが、一様でなくグラデーションになっているのがステキです。この枝は、草月流本部の稽古場で出ていたもので、一般の個人のお稽古場には、なかなかこんな良い色の紅葉枝は入りません。

子供の頃は、紅葉したカエデを生けるのが夢でした。紅葉なんて、よほどエライ先生が生けるものだと思っていました。
家元とか、流派を代表するような先生が、撮影用に生けるようなときに用意されるのが、真っ赤なカエデなのだと思ってました。

上の青葉の項にも書きましたが、カエデは水揚げが悪いです。紅葉すると、もっと悪いです。つまり、刹那のいけばなに、ある程度のお金を出せる人でないと生けられないよね、と思っていたのです。

今は私も大人になったので、ある程度思いきれば、カエデの紅葉は生けられます。
それでも、めったに生けないですね。めったに生けないので、全然扱いがうまくならないです。