こんな伝書はどうか

2015年10月22日

必要あって「近代いけばなの確立」工藤昌伸著を見ていて、初めて「解説」を読んでびっくり。(私、ミステリーでは解説から読むけど、いけばな書は必ずしも解説を読まないので)
解説を書いているのは、由水幸平氏。解説には、以下のような、いけばな書では滅多に見られない話題が満載である。

「工藤氏は筋金入りの痔である」
「そのせいで、小原会館でこっそり女性用のトイレに入るので(腰かけ式を使いたいので)、流内の女性に眉をひそめられていた」
「草月の勅使河原蒼風氏に、ちゃんと手術しなさいと説教された(他流からダメ出し!)」
「上越ガラスの社長(上越ガラスは、草月の皆さんもおなじみですね)も同病だと分かると、互いに肝胆相照らすシリ合いとなった」
「低血圧で倒れ、担ぎ込まれた病院で、人が変な目で見るのでおかしいと思ったら、産婦人科の病院だった」

由水先生、ノリノリで何を書いとるのですか! 小原会館の女性トイレのくだりなど、下手すると「変態伝説」ではありませんか!(工藤昌伸先生は立派な紳士のはずです。念のため)
いやあ、小原主導のいけばな書に、このような領域があるとは思わなかった。
しかし、いけばな人は、本当は豪傑も多いし、面白エピソードは結構あるはずなので、「笑えるいけばな本」は夢ではないと思う。実際に、草月の人に「蒼風先生の思い出を」などと聞いてみると、「感動エピソード」「芸術の香り高いエピソード」に負けず、「なんかおかしいエピソード」がバンバン出てくる。あれも、「伝書」として伝えたらいいんじゃないだろうか。編者とライターを厳選すれば、かなり面白いぞ。

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Posted by sei