自分が使った花材事典:やつで

2019年3月7日

やつでの葉っぱです。

庭から切ってきた風に見えるかもしれませんが、花屋から買って来たものです。やつでの葉は、それほど花屋の店頭では見かけません。しかし、お稽古花材の納品があるような花屋だと、たまに置いているところがあります。

私は、何を隠そうやつでが嫌いです。生けといて言うのもナンですが、かなり嫌いです。
やつでには申し訳ないことに、私がやつでを嫌いな理由は、「やつでのせい」ではありません。昔、うちに母の田舎にやつでがあって、その木の陰に、毎年蜂が巣を作りました。やつでの影から、蜂がブンブン飛び立つのを毎年見ているうちに、私はやつでに近づくのが大嫌いになり、「蜂が付いてるわけじゃない」と分かっていても、手に取るときに良い気持ちがしないのです。
やつでの白い花も、見るとぞぞっとするんですよね~。

しかし、やつでは、家に木があれば、手軽に大型の葉物として使えるので、「やつで嫌い」のいけばな家よりも、「やつで好き」のいけばな家の方が、ずっと楽しい人生を送れると思います。ああいう、大型の葉で、「3~4枚切っても惜しくない」みたいなの、あまり無いんですよね。

上の画像のやつでは、「大型グリーン」のやつでとしては、小さい葉っぱと言えます。
私の手と比べてみると、サイズが分かるかと思います。

お相撲さんの手くらいの大きさって感じです。
これは、やつでとしては、「小型葉」です。私は、こういう小型の方が、葉がきれいだし扱いやすいと思っています。
小型の葉は、比較的キズが少なく、葉の形も整っていて、標準の大きさの花器に合わせやすいです。大型の葉は、大きな面を作れ、迫力もあり、丸めたりして色々な表情を出せるのはいいのですが、全体の姿が「だらーーん」としていることがあるんですよね。。。もちろん、カッコイイ大型の葉もあるんですけど。

今回買ったやつでも、大小取り混ぜた1セットだったので、大きい葉っぱが入ってきました。

↓ これ、大きいやつ。

↓小さい葉っぱと重ねて、大きさを比較してみました。

ね、形としては、小型の方がピリッとしてるでしょ?

ここでは、「葉」だけの花材を紹介しましたが、いけばな大作に使うようなときには、「やつで丸々一本」という切り出し方をすることもあります。いけばな展のために、庭のやつでを切り倒しました、っていう人、いると思いますよ。切っても、わりと簡単に次の芽が出て茂りだすので、数年後には、また切り倒せるような株になったりします。