自分が使った花材事典:たまねぎ

2021年7月1日

皆さんご存じの、あの玉ねぎです。(赤玉ねぎは、以前にアップ済です)
このブログでも何度か紹介しているように、いけばなでは野菜も花材にしますので、玉ねぎも生けたら「花材」です。

野菜にもいろいろありますが、玉ねぎは、どちらかというと生け花に利用しやすい野菜のうちに入るように思います。
水につけなくても長い間いたまず、安価で、どこでも入手容易、花材として面白味があります。また、茶色い皮の状態と、皮をむいた白い状態での顔の違いを使い分けられます。
私は、一度草月展の花材に使用したことがあります

たまねぎを生けるときに、注意すべきは匂いですね。どこかが腐っていると、独特の臭気が出てきます。特に、水につけた状態で腐り始めてしまうと、器の水全体が玉ねぎ臭水になってしまい、飾っている最中はもちろん、水を捨てるときにもとんでもない臭気を振りまきます。公の場に展示するときには、要注意です。

玉ねぎをまるまる一個使うのではなくて、皮だけむいて使う、という方法もあります。

↑花展などでは、もしかするとこっちの方がよく見かけるかもしれません。玉ねぎの皮を大量に使った特大合作なども見たことがあります。

玉ねぎの皮は、「集めやすいドライ植物」と言えます。
皮だけ取って、本体は普通にお料理に使えますので、自分でも集めやすく、人に協力してもらうときも頼みやすいです。皮だけなら軽くて、運搬が楽になり、より長期の保存が可能なので、「秋の花展のために、春から集め始める」というようなことも可能です。

そして、いけばな人はともかく、一般の人は、作品に使った茶色い薄いひらひらを見て、一目では「玉ねぎだ」とは気づきにくいです。
ちょっと不思議な茶色い素材として見てもらえますし、気づいた人には「玉ねぎ!?」という面白さを届けることができます。