自分が使った花材事典:チランジア(エアプランツ)

2020年5月28日

チランジア

お化けっぽい感じのモショモショ植物、チランジアです。詳しく言うと、チランジアの「ウスネオイデス」という品種です。

生きている植物ですが、このまま何か月でも取っておける(=栽培できる)ので、「花材事典カテゴリ」と、「ストック花材カテゴリ」の両方に入れています。

チランジアは、エアプランツの一種

チランジアというのは、エアプランツの一種です。エアプランツ、つまり、空気中に放置していても成長できる植物ということです。

エアプランツは、「水やりさえいらず、鉢に植える必要さえなく、何の手もかからない植物」として、一時人気が出たことがありましたので、テレビや雑誌で紹介された姿を見たことがある人も多いと思います。
その「エアプランツ」の中では、チランジアは決してメジャーではありません。どっちかと言うと、レアな部類です。が、最近はじわじわと知名度が上がってきています。

エアプランツなので、上の画像のチランジアは、「その辺に引っ掛けてある」状態で、リアルに元気に生きています。決してドライなどではありません。
この、紐みたいにぶら下がってるままで、長さも伸びて成長し、うまくいくと花も咲くそうです。

チランジアは、一癖あるタイプの園芸好きさんには、なかなか人気のある植物でして、独特の「怪しさ」「不思議さ」に虜になる人は多いです。
その反面、「気持ち悪い」として嫌う人もいるのですが、無機的な壁にも、これをフックかなにかで掛けるだけで生命のあるグリーンをプラスできますので、昨今は「癒し系植物」と言われることもあります。(実際に、私が買ったショップの栽培説明書には、「癒しをあなたに」みたいなことが書いてありました)

私は。このチランジアを、いけばな花材として購入ました。本当は、草月展用花材にするつもりでした。

チランジアの、怪しき魅力

チランジアのモショモショの葉に、ぐぐっと近寄ってみましょう。

チランジア

近寄ると、更に怪しい……。

このチランジアには、根っこというものがありません。そして、一本一本はとても細くて、繊細でして、単体だとこんな姿をしています。

チランジア

↑私が買ったものは、こういうのを、たくさん束ねてある体裁になっていました。そうでないと、どこにどう置いたらいいのか分からない不思議物体になってしまうからだと思います。

↓束ねてある部分は、こんな格好です。扱いやすくて、とても良いと思います。

チランジアのお値段

私は、いけばな作品花材のリハーサル用と本番用にしようと思って買ったので、結構まとまった量を買ったため、8,000円近くのお金を払ったと記憶しています。たしか、束になったものを6つ買ったと思います。記事の一番上の画像(ドアに引っ掛けてある画像)は、その全部の量をまとめて撮ったものです。

一本ずつにすると、ほんとに細いウスネオイデスですが、「1本売り」している店は無いんじゃないかと思います。少なくとも、私は見たことがありません。
何本かを束にして、一定の量にしたものを売っているのが普通です。
大体、一束で1500円前後くらいの値段をつけて売っています。
私は、8,000円ほども出しましたけど、大量だったので、「妥当な金額だった」と思っています。

チランジアのケア方法

エアプランツというと、一般的には、「手のかからない、放置しても全然OKな植物」という部分をプッシュして売っていることが多いです。
そして、本当にこの言葉を真に受けて、棚の上に置いたまま、半年も放置してカサカサに枯らす、というパターンがよくあります。

しかし、声を大にして言いますが、エアプランツも、霧吹き程度の世話は必要なのです。また、置き場の環境によっては、簡単に枯死します。なので、「本当に、どこにでも放置してよし」というわけではありません。

エアプランツを家に置く場合、購入時についてきた栽培説明書があったら、まずはそれに沿って世話してあげましょう。エアプランツの栽培経験が豊富だったり、ほかのガーデニング経験が豊富で、植物の反応を見逃さずに対応できるスキルがある人は、自分なりに信じる栽培方法を行っていいと思います。

現に、このチランジアには下のような二枚の説明書きがついてきましたが、私はこの説明の通りには世話をしていません。

チランジアの育て方
チランジアの育て方

上の二枚の栽培説明書には、どちらも「ソーキングせよ」と書いてあります。
ソーキングとは、上の説明書の中にも書いてありますが、「エアプランツを水に8Hくらい浸す」という吸水方法の一つです。

実を言いますと、私はこれを実行する気はありません。決して面倒だからではなく、エアプランツ栽培経験者に聞くと、枯れた原因がソーキングにあると感じている人が多いようだからです。
しかも、「あのときの、あのソーキングを境に弱りだしたな」という風に、はっきりとしたきっかけとして感じている人が意外に多いようなんですよね。

ということは、「ソーキングは、ハイリスクである」と私は考えます。なので、今のところ霧吹きだけを行っており、ソーキングはしていません。もしも、今後株がヘンに乾燥してしまったりした場合、「とりあえず、半分をソーキングしてみる」ということを試すと思います。もしも、それで株が復活したなら、「やはり、ソーキングは必要だな」と方針変換するかもしれません。
でもまあ、今のところはソーキング無しで付き合っていきます。

変化があったら、追記していこうと思います。

追記

このウスネオイデスは、何度かの生け花花材利用と、クリスマス用の仕立物に使い、すべて使い切りました。
結局、ソーキングなしで一年半くらい育て、枯れないかわりに成長もしませんでした。
ソーキングしていたらどうだったのかはわかりません。