白樺

2020年4月27日

大作に使った白樺の枝です。どんだけデカくて邪魔であるかを表したくて、色々と生活感のあるものを写りこませています。

紐もかけたままで、ほんとにすみません。でも、紐をほどくと、後が大変なんで、どうかお許しを。

いや~これがホントに邪魔なんですよ。
マジ勘弁して欲しいんです。
こういうものがどんどん家の中にたまっていくのを、どうやって阻止したらいいのでしょうか。だったら買うなよ、という自業自得な話なんですが、展覧会に出すような花の先生なら、このような悩みを持っている人は多いのです。

このような大きな枝物は、どこで買うのか?

あまり、大作用の枝などを買ったことが無い方の参考のために書きますと、画像の白樺は、いけばな花材&ディスプレイの仕入れを非常に得意としている花屋さんから買いました。
私は、大作の「骨格」というか、「支え」になってくれるような枝を探していて、偶然花屋さんに画像の白樺があったので、それを買ったのです。なので、「白樺・大枝」という注文を打ってもらったのではありません。

注文で、これだけの嵩のある枝を仕入れてもらったら、多分、お値段がかなり違ったと思います。
ちなみに、この白樺のお値段は、私は花屋の請求書の内訳を聞いていないので分かりません。「作品全体花材でいくら」という払方をしたので、「何が其々いくら」というのを見なかったのです。でも、頼めば内訳を教えてもらえたはずだと思います。

最初は、もっと長くて、もっと嵩があった!

上の画像の状態で、十分デカいことは分かっていただけると思うんですが、最初に見たときには、実はもっと大きかったのでした。

↓これ、最初に花屋さんで見せてもらったときのケータイ画像。

何も切り落としていない状態ですので、丈も、枝ももっとあったのです。 丈は、2.5mはあったと思います。

ここまで大きいと、扱いはほとんど「大工仕事」

このような大きい素材は、切るのは鋸、留めはドリルドライバーでビス打ちです。優雅にお花を生けるという感覚ではなく、「大工仕事」か、いっそのこと「土木工事」に近いことさえあります。

このクラスの大きさだと、とめたり立たせたりするのに、一人では難しいことが多いです。
私は、この枝を扱ったときには、熟練の職人さんについてもらったのですが、形によっては、この枝なら「一人作業」もアリだなと思いました。なぜなら、この枝は完全に乾いていて、見た目よりも軽いのです。紐さえちゃんとかかっていたら、女性でも、一人で簡単に全部持ち運べる程度の重量でした。

作品に使った大枝は、「引き取らない」という選択もある

私は、展示終了後に、この白樺を引き取りました。放棄するには、あまりにも勿体無かったからです(←ケチケチ根性)
しかし、花の大作を度々作る人の中には、大物は引き取らない、という選択をする方も多いです。そういう場合には、花屋から買うときに、
「展示を解体・搬出するときに、お店で引き上げて処分してください」
と頼みます。

私はね、毎回迷うんです。迷ったあげく、一度は「処分して」と言ったのを、後から撤回して引き取ったこともあります。
狭い家に住んでいて、置き場は無い。でも、使いまわせる大物を、一回でお役御免にするのは、コスパ的にどうなんだ……という葛藤を持たないで済む財力が欲しいですねえ。

切り落とした枝だけでも、十分なボリュームがある

私は、この白樺を使ったときに、いくつかの枝を切り落としています。
で、その切り落とした枝も、花屋さんはちゃんと紐でくくって届けてくれました。

↓「切り落とし」とはいえ、このボリューム。

枝の一番太いところで、直径5cmくらい、長さも50cmくらいありますので、これで展覧会作品の骨格をもう一点作れるくらいです。
そのうち、「あまり作品には活用しないかも」と思ったら、稽古場でお弟子さんたちに使ってもらうかもしれません。

白樺の割には、あまり白くはない

↓このくらいの木肌の色ですと……

「え、これ白樺なんですか」と言う人もいます。

↓一番白っぽいところで、こんな感じ。

「白樺感」は低いかもしれませんが、あまりにも「白樺のイメージ」が強くても使いにくいことがあるかもしれないので、木肌がきれいなら十分じゃないかなと思います。