自分が使った花材事典:トルコキキョウ(紫フチ)

2018年10月7日

トルコキキョウは、花屋さんも、花好きさんも、「トルコ」と略称することが多いです。

トルコなんて名前が付いていますが、トルコ原産ではなく、北米原産です。そして、キキョウ科ではなくてリンドウ科です。

画像は、一番よくお稽古花に入ってくるタイプのトルコキキョウです。

2012.02.19

このような「フチどり有り」のトルコキキョウには、薄ピンクのフチのものもあります。
この花、世の中的にはどう思われているのでしょうか。
なぜ、こんなことを考えるかというと……私はトルコが好きじゃないんです。
ごめん、トルコ……。

2012.02.20

私は、なぜ自分がトルコが嫌いなのかを知っています。
私は、子供の頃から、「お稽古花に入ってくる等級の低いトルコ」を見すぎたんです。よくない品物ばかりと対面していた時代が長かったので、その後花屋さんになって、等級の高いものを見るようになっても、あまり印象が良い方に変わりませんでした。
特に、お稽古花で散々扱った「紫、もしくはピンクのフチ」が一番嫌いです。
いけばなのお稽古花は、枝を少なくとも2本、花を少なくとも3本くらいセットし、なんとか1000円程度に収めようとして組まれているので、トルコを入れようとしたら、そんなに良い花は来なくて当たり前なんです。花屋さんとしては、頑張って組んでくれたものに違いないとわかってるんですけどね……。

トルコは、思っているよりもつぼみが咲いてきますので、最初の花が傷んできたらつまんで、最後まで花を楽しむと良いです。しかし、入手したときに色が付いていなかったつぼみは、咲いてきてもそんなに濃い色にはなってくれません。
実は、「フチあり」が嫌いな私は、そういう後から咲いてきた「フチが明確じゃない」ものの方が好きだったりします。
後から咲いてくる花は、このくらいの色なんですけど……
2012.03.04
どうでしょう? 人によっては「色がぼやけちゃってる」として嫌うかもしれません。
でも私は、こういうつぼみを最後まで飾っちゃいます。

あ、最初から何日たった花か明らかにしたほうがいいかな? 「このくらいの期間は飾れる」という目安になりますよね。
というわけで、画像に撮影した日付を添えました。ご参考に。

色が薄くなっても、ぽっかりと花を開いてくれましたよ。
2012.03.12
↑この画像を撮った二日後に処分しましたので、一ヶ月弱飾れたことになります。冬場だからこそではありますが、結構頑張ってくれました。
こうやってしつこく飾っていると、最後の花が本当にいとおしいです。

トルコ嫌いを公言している私でも、本当に美しい品物には心奪われることがあります。
以前、働いていた花屋で、燃え立つような、濃いピンクのトルコ(フチどりではなく、単色)が入荷しました。私は、あまりにも美麗だったので、オーナーはいくらにするつもりなんだろうと思って注目していました。
そしたら、一本350円でして、
「馬鹿だなあ。絶対600円までつけられるのに! そんな安くしたら私が買っちゃう」
と思いまして、3本ほど買って帰りました(スタッフ割引で350円よりも安く買いました)。
本当は、1バケツ買い占めたかったのです。しかし、店のスタッフが、明らかに優れているお買い得商品を、お客に渡さずに全部確保するのは仁義に反すると思ったからやめたのです。
トルコ嫌いの私がトルコを買ったので、オーナーは面食らっていましたが、その後あっという間にバケツ一杯が完売してしまいまして、
「トルコ嫌いなやつが買った時点で値段を上げるんだった……」
と言っていました。

良い品物だったら買い占めたくなるということは、私は元々はトルコを嫌いじゃないんだと思います。でも、高いトルコでも、嫌いなのはあります。ものすごい八重のやつとか。
あれは、着膨れのボテボテみたいに見えるので、どうも好きになれません。