自分が使った花材事典:ユリ(ピンク)

2018年9月12日

品種名を確認していませんが、オリエンタル系のユリのどれかです。まあ、それは見れば分かるだろ、って話しですが。

↓画像を見れば、分かる人にはわかると思いますけど、これはいけばなのお稽古花として入ってきたユリです。


何ゆえお稽古花だと分かるかと言えば、ずばり、花の等級ですね。決して高い等級ではありません。本当の「高級大型ユリ」は、こんな開き方はしません。所詮、数百円の品物です。
しかし、花の稽古場に、「練習用」の花を仕入れるのに、一本2000円もするようなユリを入れている場合ではありませんので、稽古花としてはこの等級でOKです。
要するに、「カサブランカみたいな系統のユリだから、きっと高いわよ」という推理は短絡にすぎるのだよワトスン、ということです。

私のように、日ごろ「花束用のもっと高いオリエンタル系ユリ」を見慣れてしまうと、この開きはちょっと満足できないんだよねえ……。

花びらの縁にも、傷というか、ちょっといたみがあります。
そして、分かるような画像を撮らなかったんですけど、安いユリは茎が細くてびよんびよんです。
あの「びよんびよん」が、いかにも安物だなあと思ってしまいまして……こういうのも職業病だと思います。
安い花にも可愛げを見出す余地は大きくあるのであって、「開きが嫌だ」「茎が嫌だ」と言っている私の方が間違っていると思います。

カサブランカのような、大型のユリを花展で使おうと思っている方は、画像のユリのように「お稽古クラス」のものだけでリハーサルしていると、本番で花屋さんが気合の仕入れをしてきた「ほんまもんの開きと枝つき」のユリが扱いきれなくなって呆然とすることがありますのでご注意ください。特に、茎の硬さと張りは、作品の全体像を大きく変えることがあります。
全体像が変わったせいで、花を鋏でいくつか落とすハメになり、でも一つ一つの花の立派さに恐れをなして切ることもできなくなるとか、あり得るよ。怖いよ。うふふふふふふふ。(←おまえが怖いわ)

この記事が、今年最後の記事になると思います。
皆様、よいお年を。