自分が使った花材事典:くろもじ
くろもじは、とっくにアップしたものと思っていました。多分、あおもじをアップしたら、くろもじもアップした気になっていたのでしょう。
しなやかな枝つきです。
くろもじがお稽古場に出ると、「楊枝にする木なんですよ」と説明されるのは、「お花の稽古場あるある」だったりします。
くろもじは、こういう楊枝になる木なんです。
この手の楊枝は、かすかにサンショウみたいな香りがして、それがクロモジの香りです。
井上靖の「しろばんば」か何かに、「雑木林の中で、料理屋みたいなにおいがして、クロモジの木だな、って思うシーン」があったので、多分、木肌をこすったくらいでも香るんでしょう。
クロモジは、黒いからクロモジなのだと思います。
あおもじを使ったすぐ後にクロモジを手に取ると、なんだか「シミが出て黒くなっちゃったあおもじ」みたいに見えることがありますが、クロモジの黒は地黒なので、傷んでいるわけではありません。
あおもじとクロモジは、木肌の色だけが違う、と思い込んでいる人がいますが、よく見れば、花の付き方や横枝の出方が全然違います。
これは最近知ったのですが、クロモジとあおもじは、「親戚」には違いないけど、結構遠い親戚なのだそうです。なので、たとえば「ヒバ」と「クジャクヒバ」くらいの違いだろうと思うのは、大間違いなのだそうですよ。
上の画像までは、手に入れた当日の画像です。当日の段階では、まだ花は一つも開いていません。
花が開き始めたのは、家に持って帰ってから、5日後でした。
クロモジの花は、あおもじほどモコモコには付いていませんので、満開になってもあっさりしたものです。
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