土の再生利用法【基本編】と【お手軽編】

2020年5月8日

(元は本サイトにアップしていた記事です)

鉢やプランターの土を再生利用する方法を紹介します。
基本的な再生方法と、よりお手軽な再生方法を、両方紹介しますが、「手軽な方法だけでよい」という方は、下の目次の「3」に直行してくださいませ。

土を再生させる=良い土に作り直す

ガーデニングで言うところの、「良い土」には条件があります。それは、以下のものです。

  1. 有機物を適度に含んでいる
  2. 通気性がよい
  3. 適度な保水性・排水性がある
  4. 適度な酸度がある
  5. 保肥性がよい

この中の、通気性、保水性、排水性を理想の状態にするためには、土の「団粒構造」というものが重要な鍵を握ります。

土の「団粒構造」とは、土の粒と粒がくっついて、塊りがたくさんある土の状態のことです。市販の培養土などは、この団粒構造が、あらかじめ理想的な状態に作られています。
粒が塊になっていると、塊と塊の間に隙間ができます。大きな隙間は、水も空気も通し、小さな隙間は、水も空気も保つので、自然と上の条件の2と3がうまくできるのです。塊なしで、細かい粒がびっちり詰まっている状態は、植物にとって良い状態ではありません。

上に、「市販の培養土では、団粒構造が理想的になっている」と書きましたが、長いこと植物を育てていると、最初は理想的だった状態でも、水やりを重ねることなどで、団粒構造が壊れていってしまいます。
なので、プランターや鉢の植え替えをするときには、この構造を立て直す必要があります。上の1から5の要素を、すべて立て直してあげましょう。

ガーデナーさんの中には、「古い土は捨てる」という方もいます。しかし、土といえども限りある資源ですので、手元にあるものをリサイクルするに越したことはありません。(病気が出た場合など、本当に捨てるべきときは私も捨てますが)

土の再生を実践してみることによって、園芸への理解は深まります。それに、一度やってみると、それほど面倒なことでもないものです。
下に、土の再生を、順を追って解説していきますので、参考になさってください。

土の再生利用法【基本編】

下記が、基本的な再生の手順です。日光消毒しますので、強い日差しの季節に行うのが効果的です。

  1. 鉢(プランター)の、枯れた植物の地上部を刈り取る
  2. 雨の当たらない日向に置き、土を乾燥させる
  3. ビニールシートなどを敷いて、鉢(プランター)の中の土を開ける(このとき、土を崩して、余計な雑草、植物の根を取り除く。鉢底石がある場合は、取り分けておく)
  4. 土をビニール袋に入れ、天火で1週間ほど干して日光消毒する
  5. 消毒後の土に、団粒構造を促進させるために、有機物を3割ほど加える。有機物は、腐葉土がおすすめ
  6. 新しい培養土を、⑤の有機物と同量加える ※使用し始めてから、2年以下の土であれば、省略してもよい
  7. 土の酸度を調整する。珪酸塩白土を、全体の1割ほど加えるのが良い
  8. 植え付け前に、原肥として、緩効性化成肥料を加える

余計な根や石を分別するには、ふるいにかけるのが良いです。できれば、園芸用ふるいを一つ確保しましょう。土の再生のためには、5ミリのふるいがベストです。網目の大きさが違うものを付け替えられるタイプのものがあると、用途によって使い分けられて便利です。

土の再生利用法【お手軽編】

上の項で、もっとも基本的な土の再生方法をご紹介しました。
しかし、この方法は、慣れればそうでもないのですが、手間がかかるということは否定できません。そこで、もっと、手軽な方法も書いておきます。

【基本編】で紹介した方法で、特に手がかかる部分は、
「土を乾燥させる」
「土をふるいにかける」
「土を天日で一週間ほど干す」
という工程です。

この面倒な工程を飛ばし、「ただ混ぜればOK」という、各種の再生材を紹介したいと思います。
土の再生材は、各メーカーより、多数発売されています。その中には、「土の天日干し後に混ぜる」「混ぜて数日置く」という商品も多くあります。
しかし、ここで紹介するものは、「混ぜる→即植え付けOK」というもののみとしました。つまり、もっともお手軽なものだけ集めました。

しかし、このような超お手軽タイプの再生材を使う場合も、土の中のゴミや、前に植わっていた植物の根を取り除くことだけは行ってください。
できれば、ふるいもかけ、天日干しも併せて行うとより効果的なので、余裕のある方は、「ふるいにかける→天日干しする→再生剤を混ぜる」の工程を行ってください。

混ぜるだけでOKの製品ならば、一日で土の再生から、次の植物の植え付けまで、すべて済ませてしまうことができます。

※下記説明の中の「プランター」は、標準の65cmプランターとお考えください。



花ごころ ふっかふかによみがえる古い土のリサイクル材 2L A
  • 一袋で、プランター2個分
  • 「古い土4に対して、再生材1」で混ぜるだけ
  • 追肥としても使えます


東商ツカエール5L
  • 一袋で、プランター3個分
  • 古い土に対して、1割混ぜるだけ
  • ロングセラーです


有機100% 古い土の再生材 10L
  • 一袋で、プランター12個分
  • 混ぜずにまくだけでもOK
  • 花にも野菜にも使える