うちの実生バラ(謎の原種系バラ)

2020年3月13日

謎の原種系バラの種が持ち込まれた!

ある日、私がバラの実生を何本か育てていることを知っている知人が、「これ、欲しければあげる」と言って、下の画像のようなバラの実をくれました。
いずれも、品種は不明です。

バラの実

なんか、半分腐ってんじゃねえかようという様子の実ですが、明らかに原種系と分かる実の姿は、ワイルドな魅力に満ち満ちていて、私は大きな興味を持ち、ありがたくいただいて種まきしてみることにしました。

バラの実を切りひらいて種を取り出しました

記録として、種をまいたときの画像を貼っておこうと思います。

ご覧の通り、半分くらい腐っている実ばかりでした。実の提供者によれば、「ほんの数日の間に、どんどんこんな風に黒くなってきてしまった」ということでした。

たった一つだけある、腐っていない実は、黄色で固くて、なんだか熟していないように見えますし、私はこれらの実に発芽能力があるのかどうか分からなかったので、少しネットで調べてみました。
その結果、
「バラの実は、一見熟していないようでも、結実後何ヶ月かたったものなら、発芽能力が十分にある」
という記述を見つけました。また、腐っている実については、種自身が黴たり腐ったりしていなければ大丈夫のようでした。ということは、提供されたすべての実の種をまいてみる価値があるということです。
本当に発芽するかどうかは、やってみないと分からないレベルの話なので、とにもかくにも種を取り出してまいてみることにしました。

腐っている実の画像は、ちょっと公開するのも申し訳ないので、唯一の腐っていない実の切り開き画像を出したいと思います。

バラの実を切る

↑手で割れるかと思ったら、全然割れず、鋏のお世話になりました。

バラの実 断面

↑切り開いたら、こんな風に種が詰まっていました。

バラの種

↑実の中から種を取り出しました。なんか、ケバケバした毛に包まれていました。

ほかの実の、見苦しい画像は自粛しまして、取り出した種の画像だけを貼ることにします。

バラの種 5種類

↑全部で5種類。

どの種が、何という品種なのか、さっぱり分かりませんので、ラベルも何もつけずに種まきすることにしました。発芽したときには、どの芽がどの種だったのかも分からん、ということになります。品種を特定できるのは、相当育ってからのことになりますね(とてつもなく特徴的な葉だったりすれば別ですが……)。

4月下旬に発芽

謎の原種系バラ5種類を、まくにはまいたものの、私は発芽能力のある種なのかどうか、非常に怪しいと思っていました。そのため、3月になってスズバラやノバラが発芽した時期を過ぎ、遅い発芽だと思ったバラの実(センセーショナルファンタジー)の芽が出た後になっても、一向に顔も出さない原種系バラを、「発芽に失敗した」と思い込みました。

ところが、ほかのバラたちの発芽よりも、一ヶ月以上もたった4月の下旬になってから、やっとごそごそと芽が出てきました。
私は、最初は「なんだ、この芽は?」と思ったのです。その頃には、「原種系バラの発芽」のことなど、頭から消えうせていたので(完全に「発芽は無い」と思い込んでいました)、また謎の芽が出ちゃったなあと思っていました。

しかし、その芽は、数日すると、明らかにバラの芽に見えてきました。
そして、本葉が出てきたのを確認したときに、すでに脳内メモリーから削除していた「あの原種系では!」と思い至ったのです。

バラの芽
2012.04.24

上の画像は、2012年4月24日に撮ったものです。もうゴールデンウィークも目前にした時期で、やっと小さな本葉を出した状態でした。

発芽した後も、超スローな成長だった

やっと芽を出した原種君ですが、この子が妙に成長の遅いやつで、私は密かに
「この子育つのかなあ」
と思っていました。
下の画像は、上の画像から一ヶ月もたっているのですが、葉っぱは一枚増えたものの、全体の大きさはほぼ変化無しでした。

バラの芽
2012.05.22

6月に入ってからも、丈は全然伸びませんでした。
↓ ↓ ↓

バラの芽
2012.06.03

しかしながら、葉っぱが詰まっていて、非常に力強さを感じさせる姿をしていました。これぞ、ワイルドローズというべきでしょう。

7月になったら、やっと成長が目に見え始めた

この原種系バラが、やっと「丈が伸びてきた」「葉やトゲや茎の色に、独自の特徴が見えてきた」と言えるようになったのは、7月になった頃でした。もう、すっかり世間は夏の装いでした。

実生バラ
2012.07.01

なんかこう、やっと立ち上がってきたという感がありました。そして、葉の表面が妙にざらざらした感じで、「その辺のバラと一緒にするな」という主張が感じられ始めました。
上の画像ではわかってもらえないかもしれませんが、私の育てたバラでは、このようなザラザラした感じに葉脈が走るものは初めてでした。ただし、この手の葉っぱは、バラ園でならいくらでも見たことがあります。たとえば、ハマナスなんかがこんな葉っぱをしています。うん、やっぱり原種系なんだね。

成長が勢い付いてきた……

上の項の画像から、2ヶ月くらいたったのが下の画像です。

実生バラ
2012.09.01

すでに、明確に蔓バラとしての道を歩み始めています。春頃には、妙に成長が遅いバラだと思っていましたが、暑かった夏の間に(2012年の夏は特に暑かった!)、急に成長のスピードが速まりました。
支柱を立てないと、茎がプランプランになってきたので、鉄のトレリスも導入しました。

実生バラ

↑元気にシュートを伸ばしています。

実生バラ

↑成長とともに、この株の特徴も明らかになりつつあります。

濃い緑の葉。
しわ(=葉脈)の深い葉面。
よく伸びるシュート。
長く、鋭いトゲ。(細かいトゲは、赤い色をしている)

そのうち開花してくれたら、品種が特定できる日も来るのかもしれません。特定しやすい花(=ものすごく特徴的な花)が咲いてくれると話が早いんだけどな……。

この後の成長も、このブログにアップしていく予定です。