自分が使った花材事典:びしゅう桜
伝票に「びしゅう桜」と書いてありました。
ひらがなで「びしゅう」とかいてありましたが、漢字だとどうなるのか?
「美洲」?「尾州」? どっちにしろ、その品種名にたどり着けません。
入荷した花屋さんも、初見の名前のようでした。市場の伝票にも「びしゅう桜」だったのでしょう。
特徴としては、細い枝、薄ピンクで少し切れ込みのある花弁。知っている品種で似ているものは、おかめかな?
……そう思うと「おかめ」に見えてきました。もしや、おかめの別名なんじゃないの?
いや、それよりも「おかめの、ものすごく近縁種」の方が可能性が高いか。桜の交配は、もはや何が何だかわからん状態だとも聞きますから。
買ってきたばかりのころは、「おかめだとすると色が薄い」と思っていました。だから近縁種説を唱えていたんですが、数日たつうちに、「やっぱおかめだろうお前」という気にもなってきました。
「やっぱおかめ説」の有力な状況証拠をご覧ください。
下の画像は、上の画像の8日後の様子です。
あとからあとから開いてきて満開状態になりました。
後から開いた花の色の濃いこと。しかも、濃いだけじゃなくて、後の花の方が大きいんです。こういうことはめったにありません。
切花は、入荷した時の花の姿と、消費者の家についてから咲き始める花の姿が結構違う、ということはあります。しかし、「消費者の家で開いた花の方が、派手だし大きい」というものは珍しいです。
「入荷時の花」と「家に来てからの花」の差がわかる画像を貼ってみます。
↑これは、家に来て二日目の花で、画像中央の花が「後から咲いた花」その周辺の少し白っぽいのが「入荷時からの花」です。
こうなってくると、花材としての印象がまるで変ってしまいます。
変わってはイカン、と言っているのではないです。この変わりようが面白いという意味です。
そんで、ほんとに「びしゅう桜」って何なのか、びしゅう桜はみんなこうなのか、君はマジでおかめじゃないのか、と思っておるのです。
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