晒しミツマタ
晒しミツマタとは、こういうものです
生け花の稽古で使ったものを保存しています。安いお値段だったのですが(500円くらいじゃなかったかな……)、稽古花として入ってくるミツマタとしては良い品物でした。
ミツマタは、お稽古花に入ってくる晒し花材としては、晒しホウキと並んでメジャーなものです。そのため、初心者さんでも使ったことがある人はいるはずです。
晒しミツマタはメジャーな漂白花材
初めて使った晒し花材はミツマタだった、という人は多いです。晒し花材は、あまり手に取ったことが無い人からすると、新鮮にしてちょっとプロい素材でして、初めて晒しミツマタに出会った日のことを忘れずに覚えている人は結構存在します。
初心者さんが、何ゆえ「晒し素材はちょっとプロい」と感じるのかと言いますと、やはり、「特殊素材である」という思いがあるのでしょう。また、展覧会の大作などで、巨大なミツマタを使った作品など見てしまうと、「スゴイ素材だ」という印象が刷り込まれるということもあるのだと思います。
この記事の画像のミツマタは、お稽古花ですので、長さは80cmくらいです。お稽古花クラスのミツマタとしては、この長さは大きいほうです。
しかし、もっともっと大きいミツマタも流通していて、2m以上のものもあります。そういうものは、主に展覧会やウィンドーディスプレイなどに使用されます。
私は、稽古花材のミツマタしか見たことが無かった十代のときに、草月流本部の講座で、自分の背丈ほどもある巨大ミツマタに初めて出会ったときには、「こんな大きさの三椏が存在するのか」と思ったものです。そして、そのミツマタに、1本6500円とやら書いてあるのを見て、さらに驚きました(4桁のお値段の花材なんて、お正月の松しか知らなかったので……)。
その三椏の根元の部分は、人の手首よりも太くて、私は感激のあまり、切り落とされた根元部分をもらって帰ったのでした。
晒しミツマタは、基本的にはお行儀よくまっすぐ
晒しミツマタは、あまり横に張っている素材ではありません。天然樹木なので、それぞれに個体差がありますが、ほとんどどれも、縦方向に紐でくくってまとめたような樹形になっています(もしかすると、晒し加工の過程で、本当に幅を出さないようにくくられるのかもしれません)。
そんな、まるで気を付けしているような姿のミツマタですが、水で湿らせて曲げれば、動きのある形にできないことはありません。
ミツマタは、三股の樹木
ミツマタは、フレッシュな状態ではこういう木です→自分が使った花材事典:三椏 それを乾かして漂白すると、この記事の画像のような素材になります。
枝分かれの部分が三又なのが、ミツマタの特徴です。この形を効果的に使って生けることを考えるのが面白いです。
晒し素材は、自由に使える
ミツマタに限らず、晒してドライ化した素材は、水を飲ませる必要が無いので、天地を逆転して生けたり、器から足を出して生けたりしてもOKです。
また、ミツマタの「三又な枝」は引っ掛かりが良く、縦横斜めに、縦横無尽に組み合わせて形を作ったりすることができます。
晒しミツマタは、色々とこっちの都合を聞いてくれるタイプの素材です。結構な無理も聞いてくれるので、いけばな家には頼りにされる材料になります。
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