自分が使った花材事典:サンゴミズキ

2022年5月3日

サンゴミズキは、「赤サンゴ」とか、「サンゴ樹」と呼ぶ場合もあります。「サンゴ」と略称しても、大抵通じます。
扱いやすいので、初心者から超ベテランにまで愛されている枝モノです。

サンゴミズキは、こんな枝

ほとんどのサンゴミズキは、一本の枝に、短い横枝がチョコチョコと付いている感じでして、あまり大きく横に枝を張る樹木ではありません。ツンツンした印象の木です。しかし、たまに比較的長い横枝を持っているものが入荷することもあります。

サンゴミズキの見た目上の大きな特徴は、木の肌の色が、きれいな赤色であることと、円柱みたいな、ほぼまん丸な形の枝であることです。

あと、非常にしなやかで、曲げやすいことも大きな特徴に数えられます。

↓このように、枝先の柔らかいところは、特に矯めなくてもくるっと結べちゃいます。

サンゴミズキは、簡単に矯められる

本格的に矯めるのも簡単です(「折り矯め」ではなくて、折らずに曲線に矯めます)。

たとえば、このようなまっすぐな枝も、

ほとんど苦労せずにこのくらいのカーブを作れます。

本気で時間をかけて形を作れば、もっとクルンクルンにすることもできます。

こういう画像を出すのは恥ずかしいのですがね……矯めるときの手の画像、出してもいい?
こういう画像は、エライ先生が「お手本でございます」という感じで出すことが多いので、私ごときが出すのが恥ずかしいのですが………。

sei先生羞恥画像ですよ。
見る?

↓こんな感じで矯めます。

いやー、これは本気の羞恥画像ですねえ。(これをノーファインダーで撮った私を誉めてくれ)
でも出しちゃったので、ちょっと教科書的なことを言いますと、両手の指を離さないで、くっつけるようにしてぎゅぎゅっと曲げるのが正しい方法です。指と指をくっつけることにより、「ポキン!」といかないようにガードしています。
しかし、いかに指をくっつけていても、渾身の力でどおりゃああ!と曲げたら折れますので、そこは加減してください。

初めて矯める人は、弱い力から、少しずつ強くしていってみましょう。そして、少しなれてきたなら、恐れずに「折れるかな?」くらいの力も入れてみましょう。
多分、何回かは必ず折ります。(相当経験を積んでも折るときは折ります)折ることも経験のうちでして、スポーツで言うと「負けを知る」みたいなものです。ある程度継続して花を生けていきたい人には、「あのときは、ああやったからダメだった」という、失敗の経験値も財産です。

サンゴミズキは、リースにも仕立てやすい

サンゴミズキは曲げやすい素材ですし、赤い色がきれいなので、クリスマスリースのベース素材にもよく使われます。

くるっと丸めただけで、すでにリースっぽいです。

これに、3本、5本と枝を足していくと、しっかりしたリースベースができます。見えてもきれいなベースなので、隠すことを考えないで、むしろサンゴの美しさを生かしてみると良いと思います。

↓この画像は、3本くらいを丸めて、ワイヤーで2箇所留めています。

短く切り刻んで使う

もう一つのサンゴの使い方としては、下の画像のように、細かいパーツに切り刻んでしまう、という方法があります。

こういう方法は、このパーツで工作的に何か作るようなときによく使われます。このように切ったものを、ピンや接着剤で留めたりして、全然違う形を作ってしまいます。結局、色がきれいなのと、切り刻んで「コロン!」とした感じがかわいいから、このような使われ方をされるのだと思います。

こういう使い方は、いけばなよりも、むしろナチュラル系素材で雑貨を手作りするような人がよくやりますね(写真のフレームのデコレーションに使ったり、星型を作ってクリスマスオーナメントを作ったり)。フラワーアレンジの展覧会や、作品写真でも見かけます。
いけばなの世界では、無いことはないですが、工作になりすぎる危険が感じられる使い方にはなると思います。