自分が使った花材事典:万作

2018年9月19日

早春の花木、万作です。
「万作」と書いたり、「満作」と書いたりしますが、当て字なんだろうと思います。おめでたい字を当てたんでしょうね。
ショクブツガツテキニタダシク表記したい人は、「マンサク」と書いておきましょう。生き物の名前とか、植物の名前とかは、カタカナ表記がガッカイノヒョウジュンだそうです。

マンサクは、いけばな人には愛されている花だと思います。
厳寒のうちから、早くも春を運んでくれる花ですし、枝を作って表情を作りやすいですからね。それに、ある程度流通量もあり、お稽古花にも入れられます。
ああ、草月流の一部の方は、「わけあって」今頃マンサクを見るとゾッとする、という人たちもいますね。。。(でも、それはマンサクのせいじゃないぞ)

世間的には、マンサクのような花木は、「渋い」花木になるのでしょうか。桜みたいに、開花しても全身の姿が変わるほど花が付くわけじゃないし、枝もごつごつしてるし……。

一個一個の花に注目するとかわいいんですけどね。

この画像のマンサクは、一番多く出回っているタイプですが、品種違いで、白花のものもありますし、花弁がもっとひゅーーっと長いのもあります。
私、白花をいつか生けてみたいと思っています。

マンサクも、昨日アップしたボケと同様に、折り矯めがききます。

上の画像では、二箇所折りを入れているのが分かるでしょうか。
この方法で、どんどん形をつくっていけちゃいます。

ボケのときは「お辞儀」しかさせなかったので、今日は簡単ながらもちょっと作品にしてみましょうか。
………と、思って生け始めたら、広げすぎちゃって、うちの一眼では引ききれないことが分かりまして………あわてて、幅の狭い方向に生け変えましたが………
………それでもファインダーにおさまってくれなかったので、ケータイ画像にて失礼します。

ぐいっと曲げました。前の記事のアジサイにも登場してもらいました。
でも、もっともっと、作った線を強調できます。

で、強調してみた。

もうちょっと開放する感じでもいいかなと思えば、上の方をほどいてみたり。

このように、1回矯め始めてしまえば、色んな形にすぐ変えられるし、新しい可能性が見えてきます。
矯めることにより、不自由になってはやっぱりダメだと思います。より、自由になるために矯めるのが楽しいです。

おお、そうだ。どうせケータイ画像にしたのだから、1回がばっと広げてみましょうか。

ガバッ。

……広げすぎて、ちょっと線が弱いですね。「ただ大きくすれば強くなるはず」という論法が、まったく間違いであることを証明する画像になりましたですねえ。
強くしようと思ったら、もっと線を吟味しないといけません。
ただ、「可能性の存在」は感じてもらえると思います。このあたりから、いけばな家は、自分の可能性の深部へと分け入っていきます。