自分が使った花材事典:ハナスオウ

2016年2月16日

「ハナスオウ」は、「スオウ」と言う人もいれば、「ハナズオウ」と言う人もいます。(私の親しい花屋さんは、「スオー」という書き方をデフォルトにしています)
私は、記事タイトルを見てお分かりの通り、「ハナスオウ派」です。しかし、いけばな書や園芸書を見ると、最も一般的なのは、「ハナズオウ」のようです。

ハナスオウは、切花で見たことが無い人も、庭木としては見ていると思います。非常によく見られる庭木ですので、「見たこと無い」という人はあまりいないと思います。
うちの実家にも、スオウはありまして、そのせいか、私はスオウが好きではありません。なんかあのー、うちのは、冴えないスオウだったので。

スオウの花を見ると一目で分かるんですけど、この木はマメ科なんです。

花の後には、マメのサヤができます。うちのスオウにも、たくさんのマメがついていましたが、実生で芽が出てきてのは見た覚えがありません。あの種は無駄になってしまうのか……?

スオウの花は、色が濃いのはつぼみの頃ですが、咲くと淡い色が出てきて、ずっと優しい表情になります。

↓このくらい開いているのは、私もかわいいと思います。

私は、スオウは枝つきも気に入らないんですよね……。なんか、つまらない枝じゃありません?(←完全なる偏見なのは自覚しています)私からすると、「棒立ちじゃないか」と見えるんです。
そんな嫌いな枝をなんで生けるのかと思われるかもしれませんが、何事も修行なので、たまには手にとってみることにしています。
そうやって、手に取ると、嫌いだからか、私はものすごく加工しようとしちゃうんですよね。素直にスオウを生けたことはあまりありません。
「加工する」の一番簡単な方法は矯めることですが、スオウは、一般的には、「あまり矯めが効かない枝」とされています。でもね、私はスオウを矯め慣れているので、平気でぐいぐい曲げに行きます。

↓たとえば、この枝を三方向に、外向きに開いちゃえ、とか思うわけです。

↓はい、ぐいーんと開いちゃいました。(開きすぎてフレームにおさまらなくなりました)

「あんまり曲げられない」と思っている人は、あるいは気が付かないかもしれませんが、私は常に「スオウを曲げてやれ」と狙っているので、曲がり易い枝と、ダメな枝を嗅ぎ分けるのがうまいほうだと思います。
スオウに限らず、すべての枝物に言えることですが、「曲る」と言われている枝でも、妙に曲らない固体があるし、「曲らない」とされている枝にも、妙に曲る固体があるんです。人間だって、屈伸もできないやつと、中国雑技団並みの軟体な人は、できることが全然違うでしょ? この枝、雑技団の方だ、と思ったら、私はあまり恐れずに曲げていきます。結構、なんとかなるもんですよ。