自分が使った花材事典:着色アプライト

2018年10月4日

ほうきかと思ったら、アプライトでした。

こういうものは、花屋さん、花資材屋さんでも売っていますが、雑貨屋のドライフラワーコーナーでも売っていることがあります。これはアプライトですが、もちろんさらしほうきも売っています。
たまに、いけばなで「ほうきを生ける」というと、
↓本当にこっちを生けると思われることがあります。

草月流は、過去にいろんなことをやってきてしまったので、「竹箒のわけないでしょうよ」と言えないところが弱みです。実際、竹箒を使った作品はありましたし、なんなら掃除機を使った作品だってあるかもしれません。(掃除機みたいに、形に変化があり、可動部分がある機械は、トースターみたいな、ただ四角い機械よりいけばなにしやすいです)

で、今回の花材はアプライトでして、これはアスパラの一種です。切花で入荷することもありますが、出会う機会としてはドライのものの方が多いと思います。無難につかうなら、さらした真っ白なものが使い易いですが、なぜかこのような色をチョイスしてしまいました。 ムズカシかった……。

アスパラだけあって、よく見るととても繊細な線なんですよ。

ドライ花材でも、このように細いものは、ある程度手で形を作れます。手でくいくいっとやるだけで、このくらいは曲がってくれます。

花瓶に巻きつけて一晩置いといたりすれば、もっと「クルン!」と丸まります。お湯につけると、更に容易に形を作れるんですけど、せっかくの色が悪くなる可能性があるので、私はあまりやりません。(めんどくさいし)

ところで、私はこの記事を「アプライト」で書いてますが「アブライト」と呼ぶのを習慣にしている人もいると思います。私の記憶によれば、20年くらい前は、「アライト」と呼ぶのが主流だったように思います。正確なことを言えば、「プ」の方が正しいようなので、「アブライト」という呼び方は、多分「市場通称」が広まった結果じゃないかと思うんです。「あぶらいと」の方が発音し易いとか、聞き易いとか、日本の語感になじみが良いとか、そういうことじゃないかなあ。実際、「ベルベロン」なんかは、「ブルベロン」の方が「なんか言い易いし、きれいっぽい」という感じで使われたりしましたからね(生産者が、「べろべろーー」っていう印象がつくのを嫌ったそうです)。
私は、こう見えてそこそこ古いいけばな人なので、「あらいと」と「あらいと」を半々くらいに使い、自分的にはどっちでもいいような感じです。
ただし、キーボードで入力するときは、一度「あぶらいと」が「油糸」と変換されたのを見逃したことがあり、それを見たやつが、どういうわけか「油虫」と読み違え、seiは何を生けてるんだという話になったことがあるので、それ以降は「入力はアライトで!」を徹底しています。