自分が使った花材事典:雪柳(紅葉)

2018年12月12日

雪柳は、すでに「自分が使った花材事典」に、一度登場しています。しかも、前に登場させたときも、「紅葉」でした(参照:自分が使った花材事典:雪柳)。しかし、前回と今回の雪柳は、まったく別物なんです。今回は、「本物の紅葉」ですから、前回の「ニセモノ」とは話が違います。(「ニセモノの紅葉」については、前回の記事を参照ください)

秋ですねえ………。紅葉はいいなあ。私、死ぬまでに一回は展覧会で紅葉を生けられたらいいなあと思っています。

遠慮しないで生ければいいじゃないのよ、とお思いかもしれませんが、紅葉は持たないので神経を使うんです。
そもそも紅葉というものは、
「もう散る寸前でございます」
「パッと見きれいですけど、どんどん枯葉に近づいていってる身でございます」
という状況ですから、濃い緑の葉っぱのときと異なり、実にスピーディーにパラパラ落ち始めます。
実際に、画像の雪柳も、扱っている最中からパラパラが始まってました。

しかし、自然の紅葉の色を生けられるのは幸せです。
なんですか、あの「塗り紅葉」のテカテカ光った葉っぱは! しかも、それを「ニセモノだからしょうがない」と開き直るとは!

本物の色をとっくりご覧ください。

これだけ「色」の画像を撮っているということは、本物の色が嬉しいからにほかならない! これは、裏を返せば、普段はニセモノ紅葉ばっかり扱わされているという現実を表しています。

短い命なんだから、「塗り」でガマンしなさいよ、というのは、あまり普通の考え方ではないと私は思います。


紅葉が生け難いなら、緑でガマンする、というのならアリです。
料理屋に納品するときに、紅葉がパラパラ散ったら困るという場合でも、塗らない緑のままでいいわけです。

花見に行って、「もっと派手な方が盛り上がるかと思って」とか言って、桜に赤いスプレーかけるやつがいたらどうします? 怒られるでしょ、普通。それと同じだと思うんだけど。(アダンを黄色く塗って出荷するのとか、案の定絶滅したでしょ)