自分が使った花材事典:バラ(赤)

2022年11月6日

多分、町の花屋さんで一番需要が多いのが赤バラではないでしょうか。

バラというのは、いけばなの稽古花ではあまり入らない方の花です。理由は、コストでしょうね。3本も入れたら、お稽古花代の半分以上をバラに取られてしまいます。

もうちょっと、花自体に寄ってみましたが……

ん~あんまり変わらなかったかな(ベルベットみたいな色と手触りを描写したかったんだが)。

日本の花屋では、画像のような、つぼみ加減のバラの方が喜ばれます。
喜ばれるというか、開き加減だったら売れない、と言う方が正確かもしれません。
西欧では、もっと開いて、盛りの状態の花が喜ばれるようです。
花束を作るときに、絶頂の美しさで作るべきなのか、飾った後に一日でも長く愛される花で作るべきなのか、どちらが正しいとも言えないように思います。
花屋として、いけばな人として、率直に「美しいバラの姿」のことを言うなら、ぐわっと開いたくらいのバラの方が美しいと思います。
しかし、花が長持ちすることを、貰った側が喜ぶことを前提にしている日本人の心根は好ましいですね。

……花束って、貰った側が大事に飾るとは限らないんだよね。駅前の花屋にいたときに、どこかで貰った花束をもてあまして、あなたにあげると言って私に押し付けていった人が何人いたことか(男女を問わず、複数いました)。
まあ、ゴミ箱に放り込まないだけマシなんですかね。そして、「多分、大事に飾ってくれそうな人」を選んで押し付けているところが、優しいっていえば優しいんですかね。