自分が使った花材事典:洋種ヤマゴボウ

2019年1月30日

その辺に勝手に生えてるのもよく見かける、あの、洋種ヤマゴボウです。

洋種ヤマゴボウ

私は、好き嫌いでいうと、こいつは好きじゃありません。なんかあの……家の近所の山林の中に、不法投棄してある家電なんかといっしょにこいつがいたな、という印象が強すぎまして……。

でも、花材として、魅力的な要素をたくさん持っている植物だとは思います。

洋種ヤマゴボウ
洋種ヤマゴボウは、枝がすごく勝手に広がっています。と、言いながら、あまり広がっている画像を出していませんが、それは、広がりすぎていてカメラの画角に収めにくかったからです。

撮りにくいほどに広がっている枝に加え、実の房の曲線も面白いです。
洋種ヤマゴボウ

もっとぐいーんっと曲がっているやつもあります。
洋種ヤマゴボウ

そして、私がいいなと思うのは、このような大きな房なのに、全部下を向いていないことです。一番上の画像からずっと見ていただいても、ガクンと下を向いている房はほとんど無いです。これは、多分茎が丈夫だからなのでしょうか? 真横に伸びている房もあり、実に自由に、あっちこっち向いて踊ってくれます。

……と、ここまで、ずっと洋種ヤマゴボウの緑の実を出してきました。
でも、一般的には、洋種ヤマゴボウの実と言えば、あの、どす黒いみたいな紫色を思い出す人の方が多いでしょう。
でもね……あの「どす黒紫」はですね、私、あまり好きじゃないのね。だから、このような「緑が主」のときに買ったわけです。

ちょっとだけ、紫になりかけの実がありました。
洋種ヤマゴボウ
この色は、私にはどうも「グロい」と感じられるのです。そして、つぶれたときに紫色の汁が出るのも嫌いです。
なんつーか、洋種ヤマゴボウは、「何かに失敗している」と思えてなりません。実の感じが、もうほんの少し違っていたら、格段に可愛くなるような気がするのです。葡萄の房みたいな可愛げを、君はどこかに落っことして来たんじゃないのか、と言ってやりたいです。

洋種ヤマゴボウで私が好きなところは、むしろ、実が完成する前です。実の前の花の段階か、大きくなる前の実くらいしか、私は愛せません。

つまり、こういうところなら「好き♥」と言えます。
洋種ヤマゴボウ
洋種ヤマゴボウ
上の2点の画像だと、下の方が好きですね。より小さくて、より繊細なほうが好きなので。

このくらいの実も、まあまあ許容範囲です。
洋種ヤマゴボウ
なので、全体像として、「若い実や花が、多めに含まれている様子」が好きですね。そのほうが、メリハリのある姿になるようにも思えます。

洋種ヤマゴボウを玄関に生けたら、こんな感じに切り落とした実があまりまして……。

捨てるにはあまりにももったいないので、活用したいと思います。
まずは、ショットグラスに1本放り込んでみた。

自分で勝手に立ってくれたから、これでよしとする。

まだまだ残っているので、なんとかしたいんだけど、「実の房だけ」になっているやつが、意外に生けにくいです。
大体、どんな花材にも通用する、「小さな器に、ちょこっと生ける」戦法が、曲がった房ではやりにくいのです。

↓下に引きずっちゃう……

でも、器を2つ使ったらなんとかなるかも……

器一つだと引きずるけど、二つの器に掛け渡すようにすれば引きずらないだろう、というずるがしこい知恵。

ヤマゴボウだけだと落ちがつかないので、花の力を借りてみた。

真上から見るとこんな感じに。

嫌いな洋種ヤマゴボウなのに、結構楽しんで生けてしまった……