自分が使った花材事典:山吹(白)

2016年8月15日

山吹と言えば、黄色みたいな、いわゆる「山吹色」の方がメジャーなのですが、白花もあります。白花は、上品で良いと思います。

夕方の光りで撮ったら、なんか無駄に怖い感じの写真になってしまった。。。しかも、この画像だと、花がほとんど見えないので、なんか寂しい。

山吹がいつ咲くのかご存知の人は、言わなくても分かると思いますが、この山吹の画像は、全部かなり前の(確か、5月かな)ものです。山吹は、春先に咲く花です。
そして、水切れに弱い花材なので、すぐに水が下がります。

下の画像は、お稽古場から家に持って帰ったときのものです。ぐたーーっとしてますね。

このように「ぐたーーー」っとしてると、もうダメだと思って捨てちゃう人がいるんですが、このくらいなら復活してくれるので、水揚げして水を戻しましょう。

今回の私の方法は、とっても簡単で、「皮をむいて、十文字に割りを入れる」です。

水揚げの方法と言うのは一つではなく、「今、どの水揚げがいいのか」は、体験的に学習していくものですので、こういう、「ぐたーーー」のときに色々やって試してみるのもいいでしょう。(わざわざ試さなくても、いつか覚えますけど)
でも、「そんなの面倒でやってられません」という人は、バカの一つ覚えで水切りしましょう。
水切りさえも面倒な人は、バカの一つ覚えで切り戻ししましょう。

どんなときでも、切り戻しは、必ずしたほうがいいですね。私は、水から10秒離しても切り戻しします。習慣になっているので、手が勝手に動いてくれます。
私の感覚から言うと、「切り戻ししない人」というのは、「アイスを買ってきて冷凍庫に入れない人」くらい無謀だと思います。アイス冷凍庫に入れるの、手間ですか? 手間じゃないでしょ? 切り戻しだって、同じくらいの労力ですよね。

ああ、水揚げについては、そのうちきっちり書こうとも思っているんですが、水揚げって、「1回したら二度としなくていい」ものじゃないからね。「稽古場でしたから、家ではしない」というの、おかしいからね! アイスを持って帰って、「さっきまで冷凍庫に入れてくれていたものだから、常温で放置できるよね」って言ってるくらいおかしいからね!
むしろ、稽古場でしないで、家でする方が正しいんだからね!

水揚げというのはですね、今現在、その植物がどうなのかによって、したりしなかったりするものです。
喉かわいてる人と同じように考えてあげてください。「今」が重要なのです。
花屋さんから来たばかりで、ピンピンに水が上がっている花を、水切りボールで三段切りとか、あんまり意味無いです。(ちなみに、いけばなの先生がよくする「二段切り、三段切り」は、ほぼ無意味だと思います。なぜなら、花屋はそんなことはしません!)

で、上の画像のように、皮むいて十文字入れた山吹は、30分もすると、このように復活します。

はい、ふっかーーーーつ!

葉っぱは、このようにきれいに水が揚がりましたが、半日ほど持ち歩いてしまったダメージは、つぼみの方に出ました。

つぼみ、茶色くなっちゃった……。

残念ながら、ほとんどのつぼみが茶色くなってしまい、白花を拝めたのは、ほんの2~3輪でした。

山吹は、庭木としてもよく見かけます。庭木では、八重山吹の方が多いかもしれません。うちの実家にも、八重山吹があります。
植木も、切花山吹も、枝が伸びやかな線を描くところが、優雅で美しいです。
枝の場所によっては、妙にまっすぐなこともありますが、せめてこのくらい弧を描いていてくれないと、私としてはあまり楽しくありません。
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こっちの腕が未熟だと、伸びやかすぎても、扱いきれなくて難しいんですけどね。山吹をかっこよく生けられる人になりたいです。

……最後に、一度やってみたかったこと、画像にしちゃってもいいですか?


山吹があれば、雨に降られた道灌公が家に来ても大丈夫!