自分が使った花材事典:キキョウラン

2019年10月6日

キキョウランって、ここ数年で、急にメジャーな葉もの花材にのし上がってきましたね。

ちょっと前までは、そもそも花材として入荷してなかったような気が……。
もしかしたら、少しは切花で出荷されていたのかもしれませんが、正直私は見たことなかったです。「数年前に、忽然と出現」としか思われません。
鉢ものなら、見たことありましたが、それを生けようと思ったこともありませんでしたし、まさか切花に転身してブレイクするとは思いもよりませんでした。

現段階では、何十年もいけばなを教えてきた先生でも、「キキョウラン? 知らない」ということがありえると思いますが、今のうちはまだ恥ではありません。だって、ポッと出の新人みたいな葉ものですもん。

キキョウランは、魅力のある花材です。
さわやかなグリーン、幅を出せる葉つき、色気のある葉の流れ。洋ものにも和ものにもイケる。安価。季節になれば、入荷は安定している。なんと優秀なんでしょ。

キキョウランが優秀花材であることは、何よりも花の稽古場で証明されます。どんどん売れますからね。いけばな家が使いたくなるような花材なんです。

↓一本の葉付きはこんな感じ。

この広がりは、魅力ではあるんですが、出来上がりすぎて扱いが難しいこともあります。

↓踊る葉先。特に手で癖付けはしていません。

葉を、一枚ずつばらして使うこともできます。一枚にしてしまうと、すごく高い確率でニューサイに間違えられます。
下の画像を「ニューサイです」と言っても、「違う」と見破れる人のほうが少ないでしょう。

ニューサイに間違われるような顔をしているので、「洋ものと合う」のは当たり前なんでしょうね。

でもね、キキョウランの鉢を見てきた人間には、「キキョウラン」という響きは、限りなく「和」なんです。たいてい、山野草を仕立てるような鉢に入ってましたからね。