自分が使った花材事典:カンゾウ

2019年6月26日

私、カンゾウをお金出して買ったの、初めてだと思います。

稽古場に出てきたのを見て、一瞬「おっ。ニッコウキスゲか」と思ったのですが、「カンゾウ」と書いてありました。

↓一本だけのお姿は、こんな感じ。

葉っぱの広がりで、わりと大きな幅を取ります。

私は、カンゾウと言うと、ノカンゾウとかヤブカンゾウのイメージが強く、
「取ってきたらいいじゃないか」
という気がして、なんだか花屋で買う気がしません。(アザミを買う気にならないのと同じ心理です)実際に、自生のノカンゾウを上の画像のカンゾウと比べても、ほぼ遜色ないと思います。

……とは言っても、もううちの田舎あたりにも、ノカンゾウなど無いのかもしれないなと、たった今気が付きました。
そーだよねー。私が子供のころには、近所の林にリンドウも山百合も咲いていたのに、このごろはほとんど見かけなくなったらしい。
あ、私の実家のあたりって、深山の奥ではないですからね。千葉市内の、新興住宅地です。でも、蛍もかわせみも、いまだに現役で飛び回っている地域です。今度、カンゾウは生き残っているのかどうか、うちの親に聞いてみようと思います。(私は、滅多に親にものを頼まないので、たまにこういう依頼をすると両親はテンション上がるらしく、夫婦うちそろって近隣の山をローラー作戦で調べてくれます)

カンゾウさんは美人です。

世間では、ニッコウキスゲのほうが圧倒的に人気がありますが、私は正直言って、色の濃さでキスゲとカンゾウを区別しています。つまり、目鼻立ちは、ほぼ同一の美人さんなのです。もっともっと、カンゾウにキャーキャー言ってしかるべきではないでしょうか。

美人のカンゾウさんは、一日花です。朝開いたものが、夕方にはしぼんでしまいます。
でも、新しいつぼみが次々に開くので、毎日新たな花に出会えます。

と、いうふうに、カンゾウは美人なのですが、私が今回「美しい!」と思って手に取ったポイントは、実は花の顔ではありませんでした。
↓私が気に入ったのは、ここです。

この部分が気に入ったので、思いっきりここだけ強調して生けてしまいました。