自分が使った花材事典:スチールグラス

2019年5月6日

大好き花材です。いけばなやる方は、スチール好きな人が多いと思います。

繊細な緑の線。でも、儚い線じゃなくて、シャープだけどしっかりした線です。
私は、スチールは大好きなのですが……生けるのは非常にヘタです。(好きなのに、うまく生けられない花材ってあるよね)

スチールというやつは、カッコイイですよね。名前のとおり、植物なのにとても硬質な顔の線素材です。
似た名前の花材に、ベアグラスというやつがあり、見た目もちょっと似ているのですが、触ってみると、性質が全然違うのが分かります。ベアは、ススキの仲間なので、もっと柔らかいです。


↑この画像だと、フトイみたいにも見えますが、フトイよりも、もっと細く、もっと硬いです。「硬い」というのは、「硬そうに見える」だけでなく、実際に触っても硬いです。

スチールの葉は、よくみると細いながらも平たいんです。私は、長年この葉っぱを、「イグサみたいな感じで生えてるんじゃないかな」と思っていました。私は、岡山のイグサ畑の中をぷらついたことがあって、勝手に「きっと、あんな感じだ」と思い込んでいました。(イグサみたいなんじゃないかというのは、「オカシイ推測」ではなくて、「常識的な推測」だと思います)

しかし、一昨年の初夏に、私は自分が大きな勘違いをしていたことに気付きました。スチールグラスというのは、草じゃないんですよ。「グラス」なんて名前ですけど、木なんです。私は、スチールの仲間の一品種を、京都の植物園で見ました。こいつが木の葉っぱだったと知った時点で、脳天がガーンとするほど驚きましたが、その木の特殊な風貌を見て、更に驚きました。いやはや、あんな妙な植物とは知らなかった。
何に似ているかと言えば、ソテツに似ていましたね。でも、ソテツじゃあないらしいです。そして、ソテツよりも、もっと妙なやつでした。

スチールグラスは、そんな「妙なやつ」の、ほんの一部分です。むしろ、最も妙じゃない一部分を切ってきたようなものです。
スチールは、オーストラリアからの輸入物です(もしかしたら、小笠原あたりで作っているところもあるのかもしれませんが)。私は、オーストラリアで、こいつを作っている農園を見たくてたまらないのです。そういうテレビ番組、やってくれないかしら。

スチールは、硬いことは硬いのですが、曲線が出せないわけではありません。


細い重なりがきれいな曲線ができます。

ねじったりもできます。

もっともっともっとねじっていくと、こんな強い線が出てきます。

一本一本は、本当にワイヤーみたいな細い線です。

一本で見せるもよし、多数で見せるもよしです。

スチールは、硬さがあるせいで、フトイと違って折るのが難しいです。
折れないほど硬い、という意味ではなく、折ると「曲る」を通り越してポキンといってしまうリスクが高いのです。てゆーか、よほどうまくやらないと、ポキンといっちゃいます。

でも、ちょっと折ってみましょうか。

まっすぐなもんですから、こうやって折ると、景気よく広がります。
しかし、折ったところを何かで補強しないと、いずれ折れ目がプランプランになってしまいます。