自分が使った花材事典:ミモザアカシア

2018年10月14日

見るだけでテンション上がる花材の一つです。

黄色の、まん丸な花が房になっているのがたまりません。挿しとくだけでいいだろうなどという、いけばな屋としては思ったらいけないようなことを考えてしまいます。

花の形もかわいいですが、葉っぱもかわいいです。

花のぽわっぽわ加減を何とか画像でお伝えしたい……。

どうでしょうか。ほわんほわんなのが伝わりますでしょうか。

まったくもって残念なことには、この花は水揚げが悪く、すぐに全体が乾いてきてしまって、黄色のほわほわも固くカチカチになってしまいます。管理によっては、一日程度で乾いてしまいます。
で、「どうしたらいいですか」とよく聞かれるんですけど、ある程度は「仕方ない」とお考えください。そういう、性質なのですから。
人の力で、何とか花の命を延ばそうとするなら、

  • 短く切る
  • 切り口を割る
  • 延命剤を使う
  • 葉を取ってしまう

などの手段があります。私なら、新鮮な水に、キレイな切り口を作って(切って割る)、なるべく短く切り詰めて飾ります。最も安全な策をとるなら、15センチ程度の長さにしてしまうと思います。

葉っぱから水分が蒸散するのを押さえる目的と、「黄色い塊にしたい」という目的のために、いけばなやフラワーアレンジでは葉っぱを全部取るということをよくやります。

ちなみに、全部取るとこのようになります。

このように、葉っぱを処理したミモザを見た人の反応は、「すごくキレイ(うっとり)」と言うか、「えー、葉っぱもかわいいのに」というかの両極端に分かれます。
なので、有名フラワーアーティストがよく取っているからと言って、取ればいいってものでもないです。
また、この葉っぱ取りが非常に面倒でして、根気の無い人なら一本取りきらないうちにやめたくなります。中途半端に残っているほどみっともないものは無いので、挫折するくらいなら取らない方がマシです。
それに、私の持っている感触としては、葉っぱを取り去るよりも、短く切ることの方が水を持たせるには有効です。素人の方なら、葉っぱをわざわざ取ること無いと思います。

ただし、プロの人や、プロでなくても「この花を表現に使いたい」という明確な意思を持っている人は、1回くらいは「葉っぱ全取り」してみた方が良いです。
黄色だけになったときに、この花が視覚的にどのくらいのパワーを持つのか、葉っぱ有りのときとは違う何かを持っているのかどうか、自分で作って体験してみるべきだと思います。