ベランダで手術:その2

2015年11月24日

昨日の記事の続きです。

で、うちのベランダのトケイソウは、実家からつれてきたわけなんですが、こいつが持ち前の「成育旺盛」を初日から発揮しやがりまして、もう、びっくりするほど伸びていきました。午前中よりも、午後の方が伸びているのが分かるほどに、ハイスピードで伸びていきました。
そこで、私は上の画像の鉢(もらってきたままの鉢です)からプランターに移してやりました。
すると、トケイソウは浅ましいほどに大喜びし、超スピードの快進撃を開始しました。
私が立ててやった支柱に、ハッシハッシとひげを絡ませ、真夏の太陽を浴びて(熱帯出身だから、太陽大好き)、「しまった、小さい鉢に押し込めておくんだった」とこちらが後悔するほど成長していきました。それが、8月の終わり頃のことです。

ところが、ノリノリで成長していたトケイソウが、ある日グテッと下を向いてしまいました。雨がたっぷり降った翌日でしたので、水切れでないことは明らかです。
どうしてぐったりしたか分からないので、とりあえず観察というか、静観するしかありませんでした。

それから、一週間たっても、トケイソウは基本的に「ぐったり」のままでした。
見ていると、日差しが弱い日の方が、強い日よりもずいぶん元気です。しかし、「日陰に移せば解決する」という問題ではないなあと思いました。だって、本来はお日様大好きなのですからね。

待っても回復の兆しが無いので、私はちょっと本気で原因を探ろうと思いました。
こういうものは、基本的にはエラリー・クイーンと同じで消去法です。

【可能性1】環境変化のせいではないか?→NO!
実家から持ってきてからかなりに日数が経ち、プランターに植え替えてからも日数が経っている。しかも、植え替えたばかりの数日は、ことのほか元気だったので、変化によるストレスとは思えない。

【可能性2】植え替え時に使用した肥料が合わなかった?→NO!
移植時に使用したのは、規定量よりも少な目のニームケーキだけです。経験上、考えにくい。

【可能性3】日差しが強すぎる?→NO!
都会のコンクリートの中の日差しは、熱帯植物にもダメージを与えることが無いわけではありません。しかし、ぐったりする前は、明らかに太陽を糧にして伸びていたものが、ある日を境にそれを嫌うとは思えない。初夏から盛夏に向かう過程であればまだしも、徐々に秋の日差しになっているのに、「お日様嫌い」と言い出すわけがない。

と、いうことなど考え、まず、土の上に出ている部分には問題が無いと結論しました。観察しても、とってもポピュラーな病害・虫害である「アリマキ」や「うどん粉」は、気配もありません。
真相は、土の中にあるのだよ、ワトスン!と私は考え、土の中に、蟻が巣を作っているとか、根切り虫の類とか、そういう可能性が高いと思いました。

私は、「結局、薬が必要だろうなあ」と思いながら、トケイソウの根元の土を掻き分けてみました。
そしたら、発見してしまいました。

根元の、土のすぐ下に、癌腫と思われるこぶができていました。
普通、癌腫は土を掘らなくても分かるところにできるので、「見えるところにできてよ~」と思いましたね。

癌腫と分かった以上、切らねばなりません。
「切って死んじゃったら嫌だなあ」とか、
「いっそ株を土ごと捨て、実家から新しい株をもらってこようか」とか、
手術までしなくていいじゃん、という気持ちにもちょっとなりましたが、せっかくうちに来た子なので、切って様子をみることにしました。

(※癌腫にかかった株を処分するのは、何やら非情なようですが、「そうした方が良い」とする園芸書もあります。淘汰されてしかるべき株だとも言えますからね)

いよいよ実際の癌腫切除の手順ですが、それは次回で紹介します。
(引っ張るなあ)

》》次回へ続く