枝を剣山に挿すときには

今回は、いけばな初心者さん向け記事です。
剣山に枝を挿すときには、下の画像のように、枝を斜めに切るのですが……。

最近、入門して1年以上たった人でも、この「斜め切り」の方向が分からない人が多いらしいと知りまして、この記事でまとめておきたいと思います。

あらかじめ申しますが、このくらいのことは、高度なテクニックではありません。分かれば普通なことです。私が、ここで恥ずかしげもなく画像を出せる程度のことです。

では、超初心者向けに、本当に基本的なところからいきますね。

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【斜めに切らないと、剣山に挿しにくい!】

枝を剣山に挿すときは、斜めに切りなさい、って最初に教わったと思います。

斜めでなく、直角に切ると……

刺さらん!

いくら押しても刺さらん!

これ、当たり前のことでして、剣山にあたる面積が大きいので、力が断面全体に分散され、よほどの怪力でないと刺さってくれません。

この理屈は、手で剣山を触ると分かります。
たとえば、手のひらで剣山を押しても、意外に痛くないものです。

でも、指一本で、剣山をぎゅーって押すと、まあ痛いこと。

これは、手のひらの大きい面積よりも、指の先の小さい面積に力を集中したほうがよく刺さってくることの証明です。

【斜めに切れば、簡単に刺さる!】

じゃあ、接地面を少なくしよう、というわけで、斜めに切ります。


このように切ると、ほんのちょっとの力で(てゆーか、力入れなくても)簡単に枝を立たせることができます。

【枝は、剣山に刺すものではない】

枝を剣山に指す、という言い方をしますけど、これは、あまり正確な表現ではありません。
枝は(特に、固めの枝は)、剣山に刺すというよりも、「剣山の、針と針との間に差し込む」ものなんです。

下の画像を良く見てください。刺さってる、というよりは、針と針の間にはまってるでしょ?

これを理解していないと、おかしなことになりますよ。斜め切りして、少なくした接地面を、細い針に指すなどという、何のための苦労だか分からない、ムズカシいことをしなくてはなりません。

花ものや、茎の柔らかいものは、確かに針に刺して料理するのですが、枝はそうではないことの方が多いです。針じゃなくて、針の隙間を使うんですね。考えたら、こういう道具も珍しいように思います。

【超基本:斜め切りにする方向について】

では、いよいよ、「斜めに切った枝を、どっちに倒すか」という、方向の話をしようと思います。

剣山に枝を刺す場合、まっすぐではなくて、傾けて刺したいことの方が多いと思いますが、最終的に傾けたい場合でも、枝はまず垂直に刺すものです。

まずは垂直に刺した!

この場合だと、私はどっちに枝を倒したいのか、分かりますか? 初心者の君は、分かるかな?
ベテランの方は、当然誰でも分かりますが、正解は「右」です。

こっちに倒したいときの切り方です。

これ、あまりにも当然の理屈なんですが、初心者さんには「どうしてですか」って聞かれることがあります。

分かってしまうと、シャーロック・ホームズやクイーンの推理みたいに、「なんで分からなかったんだろ」と思うようなことなんです。こんなに画像使って解説するのも申し訳ない感じではあるんですけどね……。

ホームズなら言うでしょうね。「初歩的だよ、ワトスン君。左に倒しても、刺さる場所が無いだろう?」と。

ほら、ここまで倒しても、「刺さる場所」が無いじゃん?

こんなに倒して、やっと刺さる場所ができてきたけど……

でも、最初に「斜めに切ることで回避した広い接地面」が復活している。斜めに切った意味無い! 意味無いし、刺さらない!

と、いう風に考えると、この切り方なら右に倒すのが当然のわけですね。
この切り方をうっかり真逆にすると、切りなおしで枝の長さを損したりしますので、気をつけましょう。ちなみに、この切り方を真逆にしてしまうミスは、ある程度の経験年数を積んだ人でもやる失敗です。(長さをかせぎたいときに限って、そんなミスをするものです)経験を積んだ人は、「どっちに倒せばいいのか」が分からなくなるわけじゃなく、うっかりミスで逆に切ってしまい、切ってしまってから「あ!」というパターンですね。

【最後に、基本的な枝の刺し方・倒し方をざっくり解説】

記事を終わりにする前に、一番普通な枝の刺し方と刺した枝の倒し方の画像も載せておきます。

まず、垂直にぎゅーっと刺して立てる。


固い枝だと、両手で枝をつかんで、上からぐーっと体重をかけます。

垂直に立てた後で、傾けたい方向に傾けます。

しっかり刺さっているのを、ぐいっと傾けます。傾け損なって、ぐりぐりやっていると、枝の剣山に刺さった部分がボロボロになってくることがありますけど、そのときには、一度枝を抜いて切り直し、再度垂直に立てるところからやり直します。

なんで最初に垂直に立てるのかというと、傾けたまま刺そうとしたって刺さらないんですよね、枝の場合は。

↑このまま、ぎゅーっと押しても、刺さるものじゃありません。見ればわかると思いますが、これだと剣山の隙間をつかまえられないんです。
茎の柔らかい花物は、このように「傾けたまま刺す」でいけますが、固い枝は、とにもかくにも、1回垂直に刺しましょう。

という、珍しく技法の記事なんか書いてしまいました。
もしも、「知らなかった」という人がいたら、参考にしてください。
習い始めて一年以上もたつと、「あのー、どっち方向に切ればいいですか?」というのも聞きにくいもんね!

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コメント

  1. M.Kaneko より:

    習い始めて三回です!
    大変参考になりました。
    ありがとうございます。

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