自分が使った花材事典:エリカ

2018年10月3日

エリカ、大好きです。

エリカは、一つの花はとても小さいのですが、びっしり咲きます。そして、一つ一つの花の形がかわいい!
エリカにも、品種はいろいろありますが、画像のエリカは、花屋さんが「ジャノメ」と言っているやつで、一番多く出回っているタイプです。特に、切花では、ジャノメがほとんどだと思います。画像を見て分かると思いますが、草花ではなくて、花木です。この花の付き方で大木だったらすごいですけど、残念ながら?潅木です。

エリカは、「嵐が丘」に出てくる「ヒース」という花の仲間です。「嵐が丘」を読む限りでは、そんなに大きい植物ではないですよね。私は何を隠そう、「ヒースは草花で、小さいながらも桜草みたいな、柔らかな風情の花ではないか」というすごい勘違いを中学生くらいまで信じていました(勝手に信じていました)。
こんな勘違いが成立するのは、私が子供の頃には、エリカにしろ、ヒースにしろ、画像情報がほとんど無かったからです。その頃に、ヒースの全貌を知っていた一般人は、一部のハーブマニアの方くらいではないかと思います。

私は、ハーブとか、ポプリの本に出てくる「エリカ」にも憧れて、初めて生けたときには狂喜しました。いけばな的に言うと、花がびっしりなので、マッスを作りやすいですよね。


(↑マッスを作ったわけじゃありません。ただ束ねてあるだけ)
マッスを作りやすい素材の常として、ヘタすると「ただのもしゃもしゃ」になるので、注意が必要です。あと、エリカは、枝ものと言えば枝ものなんですけど、骨格を作るのには、必ずしも向いていません(できないとは言いませんが、私はムズカシイやつだと思っています)。
上に、「潅木」と書きましたけど、大きいものは2メートルくらいには成長します。
わが家にあったエリカは、最終的にはそのくらいの大きさになりました。
そうなんです! エリカに憧れを募らせた私は、あるときに鉢花でエリカを売っているのを見かけ、速攻で入手してしまいました。高校生のときで、たしか……1800円とかじゃなかったかなあ。樹高30cmくらいの、小さな鉢花でした。
このエリカが、大変に丈夫で、いつまでも元気で、しかもずーっと花が咲いてました。

買ったときには、画像のエリカのように、「木全体に花が付き放題」でした。やがて「付き放題」時代が終わっても、枝のどこかでは新しい蕾が出て、花が咲いているんです。そんな一年中開花状態で、どんどん丈が伸び、ある日母が「地植えにしよう」と言って、庭の脇の方に植えました。
地面に下ろしたら、エリカはますますご機嫌になり、どんどんどんどん伸びて、数年で私の身長を越えました。その間、ずーっと「木のどこかで必ず開花状態」でした。真冬でも、どっか一枝くらいが咲いてました。

で、ある日母が、「エリカが邪魔で、家の脇の通路が通り難い。切ってもいい?」と聞いてきました。
軽い気持ちで「うん」と言いましたが、軽々に「切ってよい」などと言うものではありませんね!

敵は、エリカを切り倒しやがったのです。
切り倒すなんて私聞いてない。
通り易いように刈り込むんだと思ってました。(普通そう思わぬか?)

そこで、エリカの運命は一巻の終わりとなりました。
生命力が強い木なので、しばらくは切り株から脇芽が出ていましたが、それもいつしか無くなりました。

その数年後に、母は、私が母の日に贈った時計草までも切り倒しましたが、まあそれはまた別の話です。