自分が使った花材事典:ボケ

2018年9月13日

画像のボケは白ですが、緋色系もあります。

えーっとですね………枝モノなのに、花のアップの画像を載せた理由ですが………
ちょっといろいろ捌いちゃったので、「さびしい花材」になってしまっているんですよね……。

↓さびしくてゴメン……。

普通、花屋さんから納品されるボケは、もっともっと枝が出て、花も葉も付いています。もしもこんな状態のボケが納品されたら、文句を言ってやらねばなりません。
私は、枝を落としていろいろやっちゃったために、こうなってしまいました。「使った花材事典」なので、勘弁してくだせえ。

というわけで、あまり美しい花材の有様を見せられないので、折り矯めの解説でもしちゃおうかな。

「折り矯め」というのは、いけばなの世界ではとても一般的な枝を作る技法のひとつです。
ボケとか、桜とか、梅とか、多くの枝モノが、折り矯めで形を作れます。
「折る」という名前の通り、枝を半分くらいピシッと折ってしまうんです。

↓ ↓ ↓まあ、このくらい折っても、ちゃんと水を吸い上げるんですよねえ。

折るときの注意点としては、両手をくっつけて枝を持ち、完全に折れてプランプランにならないように曲げることです。あ、折ってるところの手の画像を撮ればよかったかな。

調子に乗ってパキン!ってやっちゃって、枝がガクンと折れ曲がるようでは、やりすぎです。そうなると、もうただへし折っただけでして、枝が再起不能になります。
折り矯めは、最初の2~3回はちょっと怖いですが(折り加減が分からないうちは怖いです)、やってしまえばすぐに慣れます。
え~折り矯めとかできないです~難しいです~と言う人がいますが、私からすると、折り矯めを封じられて生けるほうがよっぽど難しいです。
折り矯めは、イチかバチかで挑んでいくような難しい技法ではありません。慣れると、相当安易な気持ちでもやれちゃえます。

折り矯めでどのくらい形を変えられるかは、枝の種類や、性質で異なります。ニシキギなどは、折り矯めで、枝をグルグルに丸く形作ってしまうこともできます。

このボケだったら、「背筋ピン!」の状態から、「謝罪会見のお辞儀」くらいまで曲げられると思います。

ちょっとやってみましょう。

作品にすることを考えていないので、「お辞儀させる」ことを目的として曲げますね。

こんな感じかな~。

「誠に申し訳ございませんでした!!」

本当の「謝罪会見」にしちゃうと、花の顔が下を向いてしまうので、顔だけ上げさせてもらいました。上から二番目の画像を比べて、どのくらい曲がっているかをご覧ください。

折り矯めする人なら分かると思いますけど、このくらいの曲げは、30秒もあればできます。
(「どう曲げるか」を本気で考え始めると、さすがに30秒ではできないです)